斜めから顔を描いた場合に耳の位置と顎の線が不自然になる - 斜めから顔を書いた場合の顎と耳の処理方法
斜めから顔を描いた場合の顎と耳の処理方法について紹介します。
概要
顔、頭部を描くときに耳と顎の線の処理がうまくいかないことが多々あります。この記事では耳と顎の線の処理方法について紹介します。
どう難しいのか?
頭部を描きます。今回は箱型のあたりを取る方法で描画します。箱型のあたりを取り、あごの位置を決めます。
あたりに従って頭部の外形を描画します。目耳鼻口のパーツを配置します。(顔のパーツの配置位置の詳細については
こちらの記事を参照して下さい)
このとき、向かって右側の顎の線と耳のつなぎ目の部分の処理が難しく感じます。線をうまくつないでみたものの自然に見えないケースがあります。また、耳の位置を正しく配置したはずなのに自然に見えないこともあります。
原因
デフォルメがきつい場合には、後頭部が大きくなるため、顔を小さめに描かないとバランスがうまく取れないことが原因と考えられます。
対処法
あたりを取る際に、ボックス型ではなく下図のT字型のあたりを取ります。
あたりはボックスを描いた後、下3分の1ほどをカットしT字型にします。
全体の高さの半分ほどの位置と、奥行きの半分ほどの位置に補助線を入れておきます。
T型のあたりに沿って外形を描きます。耳の位置は奥行きの半分ほどの位置になります。単純にボックス型であったりを取った場合より手前の位置になります。
今回描いた外形は、標準的なボリュームの髪が描かれた場合の外形の目安になるため、実際の頭部の外形は一回り小さい想定です。
目鼻口を置きます。
実線を描いて完成です。かなり頭部が大きいですが、デフォルメの強い絵柄の場合はこの程度の比率のほうがきれいに見えます。
バランスがうまくない例
下図はバランスがあまりうまくいっていない例です。
デフォルメの強い絵柄のはずのため、あごのラインの角度が急に見えます。本来はもっとなだらかにしたいのですが、うまい処理方法が見つかりません。
このまま書き進めていくと下図の仕上がりになります。絵柄としてはありですが、ちょっと「ごつい」仕上がりになってしまいます。
箱型のあたりをあたりのボックスめいいっぱいに描かれています。
先に紹介したT字型のあたりに変えて顔の部分の幅を狭めてみます。
外形を描きます。耳の位置も決めます。
元の外形は髪の厚みも入った外形のため、実際の頭部の輪郭は下図のピンクの線程度になります。
目鼻口の位置決めをします。
実線を描画して完成です。元の絵に比べて「ごつさ」が減っています。
補足:ボックスいっぱいに描く場合
上記ではT字型のボックスで顔の幅を狭める方法を紹介しましたが、あたりのボックスにいっぱいに描くこともできます。その場合は頬の位置を下げてあごの角度がきつくならないようにします。
目鼻口の位置を決めます。
実線を描画して完成です。元の絵柄に対してさらにデフォルメが効いた絵柄になっています。
著者
挿絵などのお絵描き担当。以前はオタクライフにどっぷりつかっていたが、最近は体力が衰えたためかやや引き気味。
現在も趣味で細々と制作活動中。