横顔の描き方 - デフォルメされた人物キャラクターの描画

イラストや漫画用のデフォルメされた人物キャラクターの横顔の描き方の手順の紹介です。

概要

イラストや漫画用のデフォルメされた人物キャラクターの横顔の描き方手順を紹介します。 描き方の手順はいろいろありますが、この記事では、ボックス形状で形状の下書きをする手順を紹介します。
基本的な手順は、斜め視点の頭部を描画する方法と同様です。

手順

基本の手順

正方形を描画します。


正方形の下側を伸ばします。どのくらい伸ばすかでキャラクターの外形が変化するため、好みで伸ばす距離は決められます。


耳の位置の四角形を下書きします。耳の位置はデフォルメ度合いや絵柄によって位置が微妙に変わりますが、 頭部全体の高さの半分程度の位置が標準です。


首の位置を描画します。首の太さや位置は絵柄やデフォルメ度合いで変化しますが、ボックスの中心より、後頭部側(背中側)にずらした位置になります。


下書きのボックスの形状を参考にして輪郭線を描画します。


目や口など顔のパーツを描画します。下書きのボックスの線を消して完成です。


髪の毛を描画する場合は頭部を描画した後で髪を書き足します。

デフォルメする場合

デフォルメする場合は、正方形を描画後の下側を伸ばす長さを短くし、正方形に近い縦長の長方形の形状で下書きをします。


耳の位置の四角形を下書きします。耳の位置は頭部全体の高さの半分程度の位置にします。 首の位置も描画します。耳の位置を参考にして首の位置と太さを決めます。中心よりやや後頭部側に配置します。


下書きのボックスの形状を参考にして輪郭線を描画します。輪郭描画後に目や耳を描画します。


髪の毛を描画し、下書きのボックスの線を消して完成です。

デフォルメを強くする場合

デフォルメをさらに強める場合は、正方形の下側を伸ばさずに正方形の中に頭部を描画します。


耳の位置は絵柄やデフォルメ度合いにより変わりますが、頭部全体の高さの半分程度の位置にします。
首の位置と大きさは耳の位置を参考にして決めます。中心よりやや後頭部側に配置します。


下書きのボックスの形状を参考にして輪郭線を描画します。


髪の毛を描画し、下書きのボックスの線を消して完成です。

顔の輪郭線について

横顔は英語では"Profile"と表現されるように、人物の顔の特徴そのものを表す部分です。キャラクターの造形や絵柄に合わせて比較的自由に輪郭線は表現できる部分です。


顎を尖らせるパターンです。


顎に丸みを持たせるパターンの表現もできます。


頬から顎のラインを目立たせないパターンです。



凹凸が大きめの輪郭です。輪郭線は比較的自由に表現してもキャラクターの違いとなり、違和感があまり出ないかと思います。


顎の位置

顎の位置は実写に近い場合は、額の高い位置と同じ高さにするのが一般的ですが、デフォルメの度合いによって位置は比較的自由に変えられます。
顎の位置が額の位置より若干低いパターンです。


顎の位置が額の位置とほぼ同じ高さのパターンです。実写に近い形状になります。


顎の位置が額の位置より前に出ているパターンです。この形状でもキャラターの個性として違和感はないです。


顎の位置が額の地理より後ろのパターンです。デフォルメ感が強くなります。

首の太さについて

首の太さは、実写に近い場合はかなり太めになりますが、漫画やイラストでのデフォルメの強いキャラクターの場合は、 胴体が小さくなるため、実際の太さよりも細く表現します。

実写に近い場合は首の後ろ(背中)と後頭部の距離が比較的小さく、首の太さが太いです。



デフォルメが強まると、首の後ろ(背中)と後頭部との距離が大きくなり、首を細くしたほうが体とのバランスを取りやすくなります。
デフォルメが強い場合でも首の位置は頭部の中心より若干背中側のほうがバランスがとりやすい印象です。



以前のコンテンツ(2014年版)

手順 : 円形で下書きする場合

基本の描画手順

円形で頭部のあたりをとります。正円より、やや横長の楕円にします。


円の下に鼻~頬~顎の線を書きます。目の位置も決めます。


首は位置は耳の後ろから伸ばすイメージです。


首を書きます。顎はあたりの円の一番外側より内側になります。顎はおでこの位置より引いたほうがきれいに見えます。


頭部全体の高さ(長さ)の半分の位置が目の位置になるようにします。


ただし、目の位置はあくまで目安です。より、リアルな絵柄や年齢の高いキャラクターの場合は、頭部の下の顔の部分のほうが長くなります。


実線を描いて出来上がりです。


鼻、唇、顎などをより凹凸を付けて描くと、リアルなキャラクターに見えます。

デフォルメする場合

続いてデフォルメを強める場合を紹介します。

頭部のあたりをとります。円を書きます。やや横長の楕円にすると良いです。


先の例と同じ手順で、鼻~頬~顎のラインと首のラインを書きます。ポイントはより輪郭の凹凸を減らして書きます。

先の例と同様に、顎の位置はおでこの位置よりも内側にします。また目の位置は顔の長さの半分の位置を目安にします。


実線を描いて完成です。


さらにデフォルメを強める場合はとがった線を書かずに全体を丸みを帯びたラインで書きます。


先の例と同様に、顎の位置はおでこの位置よりも内側にします。デフォルメが強い場合は頭部全体が球形に近くなるため、顔の大きさが小さくなります。目の位置は顔の長さの半分の位置より下にしたほうが自然に見えます。


実線を描いて完成です。


顔から書き始める場合

上記では横顔の描き方を紹介しましたが、この書き方は漫画などで使う場合には使いづらい場合が多々あります。紹介した書き方では、頭部のあたりを取り、その後顎の位置を決め、輪郭を書いた後で目の位置や口の位置が決まります。そのため、最初のあたりを取る段階ではどこに目が来るのかがわかりにくくなってしまいます。

最初に円を描いた位置よりも目の位置がだいぶ下になります。


実際に使う場合は下の図のように、目や口の位置を決めたあたりを取りそこから完成品ができたほうが良いです。


顔のあたりから横顔を描く方法を紹介します。

描き方の手順を紹介します。あくまでも一例ですので、自分の描きやすい形に変えていくのが良いと思います。

横顔の場合は、円ではなく丸みを帯びた縦長の長方形、もしくは縦長の楕円形であたりをとります。


あたりの中心部に目や口の位置を置きます。


後頭部を円であたりをとります。やや横長の楕円形のほうが良いと思われます。
頭頂部とあごの長さの半分の位置が目の位置になるようにします。
こちらは目安ですので、よりリアルな絵柄の場合は目の位置はより上になります。この場合は後頭部の円のサイズを小さくします。
デフォルメが強い場合は後頭部の円のサイズを大きくし、目の位置をさらに下にします。


鼻の位置を決めます。目とあごの長さの半分の位置が鼻の一番高い部分になるようにします。こちらも絵柄に合わせて位置を多少変更します。


顔の輪郭を描きます。


実線を描いて完成です。


デフォルメを強める場合は、凹凸を少なくし丸みをつけます。

手順 : 四角形(ボックス)で下書きする場合

基本の手順

正方形であたりを取る描き方を紹介します。顔以外の部分と合わせてて描く場合や、前後関係のある絵の場合は四角形であたりを取ったほうが分かりやすい場合があります。

正方形を描画します。


正方形から下に伸ばします。伸ばした先があごの先端になります。どの程度伸ばすかで絵柄やデフォルメ度合いが変わります。


全体の縦の長さの半分の位置が耳の上端になるように耳を配置します。


あたりに従って外形を描きます。後頭部を含む頭は正方形のあたりのボックスにめいいっぱいに入るよう描きます。後頭部はあたりより後ろに少しはみ出す程度がちょうどよいかもしれません。


目や口の位置を決めます。


髪を下書きして位置決めします。


外形を描画して完成です。

デフォルメが強めの場合

デフォルメが強めの場合も紹介します。

正方形を描きあたりを取ります。


下に伸ばします。先の例より伸ばす長さを短くします。


耳の位置は先の例と同様に全体の縦の長さの半分の位置に耳の上端が来るようにします。耳の位置はデフォルメや絵柄で若干位置が変化します。耳の位置関係とサイズについては「耳の大きさと位置について」を参照してください。


あたりの正方形に従って頭部の外形を描きます。後頭部は正方形のボックスめいいっぱいに入るように描画します。


目、口の位置や髪の毛の位置を描画します。


下書きの線に沿って実線を描画します。


若干の修正をして完成です。

首の太さについて

首の太さは許容範囲の幅が大きいです。キャラクターの特徴を出すのにも使えます。一般的に首が太いほど肩幅が広くなるため、デフォルメが強いキャラクターほど首の太さは細くなります。

首が太めの例です。リアルな絵柄の場合や肩幅が広いキャラクターの場合です。


首が普通~やや太めの例です。


首がやや細めの例です。デフォルメが強いキャラクターの場合です。


デフォルメが非常に強いキャラクターの場合は下図程度の太さになる場合もあります。

補足:あごの位置

あごの位置は額より内側になると紹介しましたが、絵柄によっては、額と同じ高さや額より外側に出る場合もあります。


リアルな絵柄になるほど、額と同じ高さになることが多いです。

参考
著者
挿絵などのお絵描き担当。以前はオタクライフにどっぷりつかっていたが、最近は体力が衰えたためかやや引き気味。
現在も趣味で細々と制作活動中。
掲載日: 2014-08-17
改訂日: 2022-11-19
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