Z深度 (Z-depth) をレンダリングする手順を紹介します。
概要
通常レンダリングではテクスチャーやライティングを反映したイメージを生成します。
しかし、特定の用途においては、テクスチャーやライティングの情報は結果に含めず、ビューポートからの奥行情報、Z深度のみをレンダリングしたい場合があります。
この記事では、3ds MaxでZ深度をレンダリングする手順を紹介します。
手順
3ds Maxでシーンを作成します。
[レンダリング]メニューの[レンダリング設定]をクリックします。
[レンダリング設定]のダイアログが表示されます。
レンダラーのドロップダウンリストボックスをクリックします。デフォルトでは、Arnoldが選択されていますが、
ドロップダウンリストから[スキャンライン レンダラー]の項目をクリックして選択します。
レンダラーがスキャンライン レンダラーに変更できました。
ウィンドウ下側の[Render Elements]タブをクリックして選択します。下図の画面に切り替わります。
[レンダリング要素]の項目の[追加...]ボタンをクリックします。
下図の[レンダリング要素]ダイアログが表示されます。リストの[Z深度]の項目をクリックして選択します。選択後[OK]ボタンをクリックします。
レンダリング要素に[Z深度]が追加されました。ダイアログの右上の[レンダリング]ボタンをクリックしてレンダリングをします。
Z深度のレンダリング結果が出力できました。
なお、Arnoldでレンダリングした場合の結果は下図です。
最小値、最大値の設定
Z深度のレンダリング結果を出力できましたが、深度の増加を開始する位置や、遠方は深度をなしにしたい場合があります。
ダイアログ下部の[Z深度 要素パラメーター]を変更するとZ深度の変化を指定できます。
- [Z最小値]の値を設定すると、その距離より手前は深度256になり、白色になります。Z最小値の値より遠方からZ深度の減少が始まります。
- [Z最大値]の値を設定すると、その距離より遠方は深度0になり、黒色になります。Z最大値の値より遠方のオブジェクトは遠方のため見えない状況になります。
Z最小値を0、Z最大値を250でレンダリングした結果が下図です。
Z最小値を0、Z最大値を150でレンダリングした結果は下図です。遠方のオブジェクトは深度最小となり0になり黒色で塗りつぶされます。
[Z深度 要素パラメーター]の[更新]チェックボックスをチェックするとレンダリングしたシーンに合わせて、Z最大値の最小値の値が自動的に更新されます。
レンダリングすると、Z最小値が0、Z最大値が240.011に更新されました。
レンダリング結果は下図となります。
著者
iPentecのメインデザイナー
Webページ、Webクリエイティブのデザインを担当。PhotoshopやIllustratorの作業もする。
最終更新日: 2023-11-04
作成日: 2023-06-10