ExcelでF.TEST関数を利用して、F検定をする手順を紹介します。
概要
2つの群の標準偏差に違いがあるかを判定することで、群(標本)に有意差があるかを検定する方法です。
ExcelでF検定を利用するには、F.TEST関数を利用します。
書式
書式は下記になります。
F.TEST(標本1のデータ範囲, 標本2のデータ範囲)
標本1, 標本2のデータ範囲には配列(1行複数列の範囲、または、1列複数行の範囲)を指定します。
利用例
条件
「ペンギン組」(8名)と「アヒル組」(5名)であるテストを実施しました。テストの得点は以下になりました。
ペンギン組 | アヒル組 |
52 | 50 |
58 | 49 |
48 | 50 |
51 | 52 |
49 | 50 |
52 | |
47 | |
51 | |
このとき、ペンギン組とアヒル組の得点の分布に差があるか調べます。
帰無仮説は誤差が無い仮説になるため、「ペンギン組とアヒル組の得点分布には差がない」となります。
手順
極端な例での検証
下図の表を準備します。
ペンギン組 | アヒル組 |
50 | 50 |
50 | 50 |
50 | 50 |
50 | 50 |
50 | 50 |
50 | |
50 | |
50 | |
分散が全くない状態です。
E2セルに以下の値を記述します。
=F.TEST(B3:B10, C3:C7)
数式を確定するとE2セルには"#DIV/0!"が表示されます。全く分布が無いため、エラーになっています。
続いて、一つの値を変更します。49と51に変更します。このとき、E2セルの値は、"0.550"になります。F.TESTの値は両側確率であるため、片側確率は半分の"0.275"になります。有意水準を5%とすると、0.275 > 0.05 となり、2つのグループでの有意差は無いと判断でき、仮説は棄却されず、分散は同じであると言えます。
F検定をする
続いて、先の条件の値に変更します。このとき、E2セルの値は "0.045..."となります。片側確率は半分の"0.0225..."になります。有意水準を5%とすると、 0.0225 < 0.05 となり2つのグループで分散の有意差はあると判断でき、仮説は棄却され、ペンギン組とアヒル組とでは分散が違うことが言えます。
続いて、「アヒル組」の点数を下記に変更します。明らかにアヒル組のほうが平均点が高いです。このとき、E2セルの値は "0.42..."となります。片側確率は半分の"0.21..."になります。有意水準を5%とすると、 0.21 > 0.05 となり、仮説は棄却されず、2つのグループで分散の有意差は無いと判断でき、分散は同じであると言えます。
著者
iPentec Document 編集部
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最終更新日: 2024-01-21
作成日: 2016-08-25