Web配信、Web会議、Webミーティング用のマイク、スピーカーの選定についての紹介です。
概要
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、テレカンファレンス、Web会議、Webミーティング、音声チャットなど頻繁に実施されている状況です。
これまでのいろいろ試した中で、状況に合わせてどのようなカメラやスピーカーの機材を選択すればよいかを簡単に紹介します。
人数が複数人の場合
こちらのメンバーが複数人いる場合は、以下の機材の選択になります。
- スピーカーマイク (スピーカーフォン)
- スマートフォン
- それぞれのメンバーがヘッドセットを利用
- その他
スピーカーマイク(スピーカーフォン)
複数人でWebミーティングに参加する場合は、スピーカーマイク(スピーカーフォン)の利用が第一選択になります。
テーブルの上に設置して参加者がテーブルの周りに座ってトークできます。
USB接続やBluetooth接続が利用できますので、セットアップも簡単にできます。手早く利用開始することもできます。
一方で周囲の音を拾いすぎてしまうため、囲りが騒がしいと周囲の音声が入ってしまうことや、キーボードやマウスの操作音もマイクが拾ってしまいます。
また、Bluetooth接続の場合、機器によっては相性が悪かったり、Bluetooth HD Audio に対応していないと音質が低いなどの問題点もあります。
具体的な製品には以下があります。
スマートフォン
スマートフォンを利用する方法もよいです。機種により性能に差がありますが、iPhone, iPad はマイクの性能も良く、テーブルの真ん中に置いてスピーカーマイクとして
利用できます。マイクの感度は良いので、距離が離れていても声は入ります。画面を上に向けて、テーブルの上に置いてもよいですし、カメラも利用する場合はスタンドに
立てかけて利用してもよいです。
こちらもスピーカーフォンと同様に周囲の音は拾いやすいです。
ヘッドセット
各参加者がヘッドセットを利用する方法もあります。とはいえ、会議室の参加者みんなでヘッドセットをしている姿も微妙なので、あまりお勧めはできないです。
密閉式のヘッドセットを利用している場合、こちら側のメンバーの会話もヘッドフォン越しに聞くことになるので、その点もあまり良くないです。
その他
会議室専用のハードウェアも出ています。使用したことがないため、詳細は不明ですが会議室専用のハードウェアですので、性能や使用感は良いかと思われます。
- Meeting Owl Pro
- Logicool MeetUp
- YAMAHA CS-700AV
一人で利用する場合
一人で利用する場合は次の選択肢があります。
- スピーカーマイク (スピーカーフォン)
- Webカメラ (マイク付き)
- ヘッドセット
- スピーカー + マイク
スピーカーマイク
一人でスピーカーマイクを利用する方法です。問題なく利用できます。
欠点としては収音範囲が広いため、キーボードの音やマウスのクリック音が鮮明に入ってしまうことが挙げられます。
他人がしゃべっている間に、ミュートせずにキーボード入力やマウスクリックすると、その音が参加者に聞こえてしまいます。(そして「うるさい」と言われます)
また、収音範囲が広いため、狭めの部屋では部屋の残響音(部屋鳴り)が入ってしまいます。
部屋鳴りはWebミーティングにとってはそれほど問題になる要素ではありませんが、聞いている側からすると、ずいぶん遠くでしゃべってるなという印象を持ちます。
(発言が他人事のように聞こえてしまうこともあります。)
具体的な製品には以下があります。
Webカメラ (マイク付き)
マイクが付いているWebカメラを利用する方法もあります。コンパクトで場所も取らずUSB接続のためセットアップも容易です。
欠点としては、Webカメラのため、カメラ本体と本人との距離を50cmから1m程度開ける仕様のため、マイクの仕様も収音範囲が広いマイクになっています。
そのため、キーボードの操作音やマウスのクリック音がマイクに入ってしまいます。
具体的な製品には以下があります。
ヘッドセット
一人での利用の場合はヘッドセットも有力な選択になります。
ヘッドセットのマイクは指向性の高いマイクのため、周囲の音を拾いにくいです。
接続も有線、USBやBluetoothなど種類も多く利用環境に合ったヘッドセットが選択しやすいです。
欠点としては、密閉型のヘッドセットの場合は長時間利用していると疲れることや、自分の声が普段と違って聞こえることが挙げられます。
オープン型のヘッドセットもありますが、種類が少ないです。
また、映像ありのWeb会議の場合、ヘッドセットをつけた状態で画面に映ってしまうことなどもあります。
クローズ型ヘッドセット
クローズ型(密閉型)のヘッドセットでは具体的な製品には以下があります。
オープン型ヘッドセット
オープン型(開放型)のヘッドセットでは具体的な製品には以下があります。種類が少ないため、開放型のヘッドフォンとマイクの組み合わせにする方法もあります。
マイク + スピーカー またはヘッドフォン
マイクとスピーカー、ヘッドフォンをそれぞれ用意する方法です。
メリットとしては、マイクとスピーカーを別々に選定できるため、選択の幅が広がります。また、性能の高いマイクやスピーカー、ヘッドフォンを選択できます。
指向性の高いマイクや低感度のマイクを選択することで、周囲の音が極力入らない状態にすることもできます。
一方で、選択肢の幅が広すぎて何を選択すればよいかがわかりにくいこと、ファンタム電源対応のオーディオインターフェイス、XLRケーブルの用意など、オーディオ設備が必要な場合もあるため、セットアップや構築に手間がかかることが挙げられます。
また、マイクやオーディオインターフェイスを利用する場合はゲインの調整やボリューム調整をしないと音割れしたり、音量が小さかったりしますので、調整が必要になります。
マイクの選択
マイク単体を利用する場合に迷うのが、どのようなマイクを選択すればよいかです。
大きく分けてマイクには以下の種類があります。
- ダイナミックマイク
- コンデンサーマイク
- リボンマイク
マイクの種類については
こちらの記事を参照してください。
映像がある場合
映像がある場合はカメラで顔をふさぐと顔が見えなくなってしまうため、マイク本体に近づいてしゃべるマイクはあまり適していません。
ピンマイクやガンマイクなどが選択候補になります。
ガンマイクはエントリーモデルの場合はミニプラグに接続するタイプですが、ハイエンドモデルではXLRケーブル接続でファンタム電源が必要なモデルがほとんどです。
いくつかのモデルでは電池で動作するものもあります。
ピンマイクもエントリーモデルの場合はミニプラグに接続するタイプですが、ハイエンドモデルではワイヤレスシステムのものが多く、
レシーバーとセットで利用するため、機材が必要になってきます。
ガンマイクを利用しても距離が離れると収音性能が下がってきますので、屋外での利用を考えるのであれば、ピンマイクのほうが良いかと思われます。
ドラマなどの撮影で撮影者にピンマイクをつけられない、野生生物や自然の音を収録するため、対象物に近づけない。といった場合にガンマイクを選択するのが良さそうです。
製品例
ハイエンドのガンマイクでは、ゼンハイザーのMKH416が定番とされています。ドラマや映画撮影でも使用されるハイエンドのガンマイクです。
MKH416より若干パーソナルユース向けのガンマイクです。YouTuberなどに人気のガンマイクです。
NTG3はRODEのハイエンドガンマイクです。屋外用ではさらに指向性の高いNTG8もあります。MKH416とほとんど音が変わらないのにお値段がお安いガンマイクです。用途によっては、MKH416より自然に聞こえるかもしれません。
RODEのNTG5 ガンマイクです。こちらもYouTuberに人気のガンマイクです.
ピンマイクで定番とされるSONYのUWP-21です。
映像の収録がない場合
音声のみの収録の場合、映像がないWebブロードキャスティングの場合にはマイクが顔をふさいでも問題がないため、低感度のマイクを利用できます。
低感度のマイクを利用した場合は、マイクに近づいてしゃべる必要がありますが、周囲の音を拾わないため、部屋鳴りや周囲の物音が入らないメリットがあります。
指向性の高い(カーディオイド)ダイナミックマイクなどが適しています。カーディオコンデンサーマイクも候補になりますが、コンデンサーマイクは感度が高いため、部屋鳴りが入ってしまう可能性もあります。また、収音範囲が狭く感度がやや低めのガンマイクも選択候補になります。
スタジオ用途向けの非常に感度の高いマイクを利用する場合はバックスクリーンの導入など部屋鳴り対策をする必要もあります。
製品例
SHURE のSM7B です。ハイエンドモデルではメジャーなダイナミックマイクです。
Electric-Voice のRE20 です。こちらも定番のダイナミックマイクです。
Audio-TechnicaのBP40です。ダイナミックマイクです。
著者
iPentec Document 編集部
iPentec Document 編集部です。
快適な生活のための情報、価値のある体験やレビューを提供します。
最終更新日: 2024-01-24
作成日: 2020-11-20