Pixiv等のイラストSNSで作品の閲覧者を増やすための対策 - Pixiv攻略法
Pixiv等のイラストSNSの閲覧者を増やすための対策を紹介します。
概要
イラストSNSを始めたものの閲覧者や評価が上がらず、途方に暮れる経験をした方も多いのではないでしょうか。この記事ではPixiv等のイラストSNSで閲覧者や評価を増やすための対策を紹介します。
補足
AIによるイラスト生成の登場で従来の戦略は通用しなくなっている部分がありますので、ご注意ください。
閲覧者が増える仕組み
イラストSNSにおいて閲覧者が訪問するルートは大きく分けて以下があります。
1.ランキングからの誘導
多くのイラストSNSにはランキングがあります。ランキングにランクインすることで閲覧者が増えます。
2.お気に入りからの誘導
イラストSNSでは特定のユーザーをフォローする機能があります。(お気に入りユーザー、フォロワーなどと呼ばれています。)
フォロワーに入れてもらえると新しい作品を投稿するとフォローユーザーの新着作品一覧に掲載され目立ちやすくなり閲覧数が増えます。フォローに登録されているということは、作品が気に入られているため、フォローユーザーの数だけ閲覧数の底上げを見込めることになります。
3.検索、タグからの誘導
作品につけられたタグやタイトルが検索にヒットすることで閲覧数を増やすことができます。
4.新着一覧
新着の作品一覧から作品を見つけて閲覧者がやってきます。
閲覧者を増やすための対策
上記の閲覧者の訪問ルートごとにどのような対策があるかを紹介します。
1.ランキング対策
ランキングに入ることが重要です。とはいえすぐにランキング入りは難しいです。ランキングに入るような作品を投稿することを心がけるとよいと思われます。また、2以下の対策を実施するとランキングに入る可能性が高まります。
2.お気に入り登録対策
作品を見たユーザーにお気に入りに登録してもらうための対策です。以下があります。
A.作品の質の向上
もっと見たい、また見たいと思わせる作品を描くことでお気に入りに登録してもらえる率が高まります。
B.作品の量
ギャラリーにある程度の作品が入っていることが必要です。1点ハイクオリティーな作品があるよりも、数十点作品があるほうが登録率は高まります。
C.一定のクオリティ
作品ごとにクオリティに差があると登録率は下がる傾向にあります。定期的にギャラリーを整理して質の高いものだけを残すと登録される率が高まります。(ギャラリーの多くの絵に大量のお気に入りがついているとお気に入りユーザーに登録しておこうという意識が働きます。)
D.投稿スピード
2パターンあり、たまに投稿する方針と、高速に投稿する方針があります。
そこそこクオリティーのイラストを高速に投稿することで検索ヒット率を上げ、閲覧者に「たくさん投稿する人だからお気に入りに入れておこう」と思わせることができます。ちなみに高速投稿(1枚/日)だけを地道に続けられれば、1年程度でかなりの閲覧者を集めることができます(が、多くの場合続きません)。
一方、ハイクオリティな作品をたまに投稿する戦略もありです。投稿を見逃さないようにフォローしてもらえる率が高まります。
3.検索、タグ対策
検索でタグやタイトルにヒットするための対策です。主なものに以下があります。
A.人気の作品をテーマにする
人気の作品をテーマにすると閲覧数が増えます。人気の作品のワードやタグで検索される数は多いため作品が目に触れる機会が増えます。
B.イベント等の企画に参加
イラストSNS内での大型の企画物やイベントに参加するのも有効なタグ対策の方法です。大型のイベントや企画では参加者も増え検索回数も増えるため作品が目に留まる率が高まります。
C.ネタ系の作品を描く
ネタ系の作品を描き、特定のタグを付与することで閲覧数を増やすことができます。
D.ニッチ領域への展開
ニッチ領域のタグやタイトルを付与することで特定の嗜好を持った利用者にアプローチすることができます。この対策は「2。お気に入り登録対策」にも有効です。
経験上、人の多いところで活動したほうが、良い結果が出る印象です。流行の最先端の絵柄の絵が多いことや、参加者も多いため、刺激を受けたり、参考になる絵に触れる機会が増えます。
4.新着一覧対策
新着一覧から利用者を誘導するための対策には以下があります。
補足
UIの変化により新着一覧からの流入はほとんど効果がない状況です。
A.投稿時間
2つの考え方があり、人の少ない時間に投稿し新着一覧に長くとどまるというポリシーと、人の多い時間に投稿し閲覧数を一気に増やすポリシーがあります。
人の少ない時間に投稿
早朝~午前中に投稿します。
新着一覧に長くとどまっているため、閲覧される率が高まりますが閲覧者数は少ないです。主婦層などをターゲットにする場合はこちらのほうが良いのかもしれません。
人の多い時間に投稿
10時~深夜1時前に投稿します。
新着一覧から一瞬で流されますが、閲覧者数は多いです。
ターゲットとなるユーザーをだれにするかなども影響していると思われますが、明確な結論は出ていません。
B.サムネイル
サムネイルすなわち投稿画像を工夫することで閲覧数が向上します。
サムネイルについては後述のセクションで解説します。
C.タイトル
思わせぶりなタイトルを付与することでサムネイルのクリック率を上げることができます。地味に効果があるためよく考慮することをお勧めします。
例1
- 良くないタイトル:「Yシャツ」
- 効果のありそうなタイトル:「彼女のYシャツの香り」
例2
- 良くないタイトル:「隕石」
- 効果のありそうなタイトル:「人類滅亡3分前」
D.コメント
コメントは多すぎず、少なすぎずが基本です。多すぎると読む気が無くなるため長くし過ぎないよう注意します。コメントが短い、もしくは無いのも一見問題なさそうですが、コメントや作品に対する考えを見てお気に入りに登録する利用者が意外と多いため「お気に入り登録対策」の面からもコメントを入れたほうが効果が高いです。作品の好きな部分やポイントをコメントに記載するとよいかと思われます。アニメや漫画のイラストの場合は元作品に対するコメントなどを記入すると効果が高いです。
サムネイル対策
イラストを閲覧させるためにはサムネイルで閲覧者を引き付ける必要があります。どういったサムネイルにすると効果が高いかを紹介します。ポイントはクリック後の画像を見せることはもちろんですが、サムネイル画像をクリックさせることを第一に考えます。
何が描いてあるかわかりにくくする
サムネイルの時点で何が描かれているかわかってしまうとクリック率が下がります。また、サムネイルの時点で全体が把握できる場合も拡大する必要性がないためクリック率が下がり閲覧数が増えません。
背景に複雑な模様を入れるだけでも効果が上がります。遠景や小物までしっかり描くことでも効果が上がります。
しかし、何が書いてあるかわからないほどキャラクターが小さい、または精密な作品は逆にクリック率が下がります。
明度を下げる
明度の高い(白に近い)画像は効果がやや低くなる傾向です。深い青、暗色、赤、濃い目のパステルカラーなどで描かれている画像のほうがクリック率が上がる傾向にあります。画面を暗くすることで、先の「何が描いてあるかわかりにくくする」対策にも効果があります。特に背景が白のサムネイルのクリック率は低くなるので注意が必要です。
コントラスト差を大きくする
光物(光源、輝き)があるとクリック率が上昇します。ワンポイントで光物を入れてグローを入れると効果があります。
動きのある画像にする
動きのある画像、躍動感のある画像のほうがクリック率は上がります。が、先の対策に比べるとあまり効果は出ません。
かわいいくする/かっこよくする/体のラインが良く出る絵にする
かわいいくするとクリック率が高くなります。人間いろんな意味で欲望には忠実ということです。簡単そうですが、この方法はそれなりのスキルが必要です。
コミュニケーション促進 (営業活動)
SNSですのでコミュニケーション促進も閲覧者増加の効果があります。絵を描くスキル以上に効果を出すことができます。度が過ぎると営業活動のようになってしまう可能性もありますが、急速に閲覧者を増やすうえでは重要な要素です。また、閲覧数に対して評価される率が低い場合の対策としても有効です。
以下の方法があります。
フォローする
気に入ったユーザーを公開でフォローします。SNSによってはレコメンド等が機能し利用者を呼び込むことができるものもあります。
コメントを付ける
気に入った絵にコメントをつけます。コメントの投稿者名から閲覧者を呼び込めます。
ついたコメントにレスする
エンゲージメント強化といわれる手法です。コミュニケーションを密にすることで利用者を高プレゼンスのユーザーにします。高プレゼンスのユーザーはあなたの作品を毎回見てくれるようになり、高い評価を付けてくれやすくなります。
企画物に参加する、引用する
企画物に参加したり、素材等を引用したイラストを作成することでネットワークの幅を広げます。
チャットやお絵かきチャットに参加する
チャットやお絵かきチャットなどに参加するのもいくらかの効果があります。
テーマ特化型か分散型か
SNSで作品を投稿するにあたり、特定のジャンル、アニメ、マンガだけに特化して作品を投稿するべきか、幅広く投稿するべきか迷うことがあります。
特定のテーマ特化型
特定のテーマで作品を投稿する方法です。
メリット
- 特定のジャンルに興味のあるユーザーを集められる
- 特定のジャンルに興味のある利用者を継続して集められるため、エンゲージメント強化につながりやすいです。毎回見てくれる閲覧者や評価を付与してくれるユーザーを獲得できます。
- アカウントにジャンルのカラーがつく
- アカウントにジャンルのカラーがつくため、フォローされる率が高まります。
- クオリティが一定になる
- 同じアニメやゲームの絵を描くため、作品のテイストやクオリティが一定になるメリットがあります。ギャラリーの作品が一定の質で保たれているとフォローされる可能性が高まります。
など
デメリット
- ジャンルの規模が小さい場合ユーザーが集まらない
- ニッチなジャンルではユーザーが集まらないことがあります。
- モチベーションの低下
- 同じ絵を描き続けなければならないのでモチベーションが下がることがあります。
分散型
いろいろなテーマで作品を投稿する方法です。
メリット
- モチベーションの維持
- いろいろな作品を投稿できるためモチベーションの維持につながります。
- 幅広いユーザー層へのアプローチ
- いろなジャンルの利用者にアプローチできるため閲覧者を増やすことができます。
デメリット
- アカウントに特徴が出ない
- あちこちのジャンルの作品を投稿しているためアカウントのテーマ性や特徴が無くなります。特徴のないアカウントはフォローされる可能性が下がります。
- クオリティに差が出る
- あちこちのジャンルの作品を投稿するため、作品のテイストやクオリティに差が出る可能性があります。ギャラリーの質が一定でない場合フォローされにくくなる傾向にあります。
経験上SNSのアカウントには基本となるテーマがあったほうが良さそうです。他のジャンルを描く場合でも基本テーマを踏まえたうえで作品を作っていくと効果が高そうです。
補足:投稿する画像について
人気のあるユーザーの画像をまねた画像を投稿しても閲覧者が増えないケースが多々あります。
閲覧者が増えた後ではどんな画像でもそれなりの閲覧者を獲得できますが、閲覧者を増やす過程ではうまくいかないです。
AIによる制作時代に向けて (2022年追記)
高性能なAIの登場により、クエリや題材をワード(プロンプト)で指定することで、高クオリティのイラストが生成できる状況になってきました。
現状ではプロンプトの指定の仕方にノウハウがあったり、意図した出力にするためには試行錯誤が必要であったりしますが、今後、加速度的に
技術進歩が進み、将来は簡単な指定により、高品質の画像を生成できる状況になると予想しています。
こうした状況で、どのような取り組みをしていくのが良いのかを紹介します。
絵を描く楽しみ、描けないより、描けるほうが良い
アクセス増をテーマにしている本記事の内容とはそぐわない面もありますが、制作活動自体は楽しいものです。
特に初期の上達が目に見えて進む段階や、いろいろなアートを創作していくのは、とても楽しいです。
また、AIが高品質なイラストを生成する状況になり、創作物の大部分をAIが生成したとしても、絵を描けないより、絵を描けるほうが、
知識の幅やスキルの幅が広がり良いと思います。
現在の例でいえば、イラスト制作物のほとんどがCGによる制作であったとしても、
アナログの絵具やポスターカラーでイラストや絵画を描けるスキルは、
無いよりあったほうが良い。という感覚です。
美的センス、デザインスキルの獲得、トレンドへのキャッチアップ
制作を通じ、美的センスやデザインスキルの獲得は今後も必要になるかと考えられます。
デザインスキルについては制作をしなくても、他の作者の創作物を観賞したり、世の中の様々なデザインコンテンツや制作物からも刺激を受けられ、
スキルの獲得につなげられます。
デザインのトレンドは月日とともに変わりますので、情報収集やトレンドへのキャッチアップは今後も必要だと考えられます。
これは次節のデザイン判断で必要なスキルになると考えています。
デザインを最終決定するのは、もうしばらくは人間
AIが高品質なイラストを大量に生成できる状況になりつつありますが、生成されたイメージのうち、どれを最終イメージにするか、
または、微修正をAIに依頼して、どのようなアウトプットを採用するかは引き続き人間の判断が必要かと思われます。
AIが作品制作を支援してくれたとしても、何をもって自身の作品として「GO」を出すのかは、引き続き制作者自身の判断になるかと考えています。
コンセプト、ストーリー、バックグラウンドを考え、それにマッチしたデザインをするのも、いましばらくは人間
見た目のみ絵を出力する用途では、AIの技術進歩により、高品質な画像が生成できる状況が近づいてきています。
一方で、「用途」や「意図」が大量に存在する状況では、その意図をくみ取って画像を出力、あるいはデザインするのはもうしばらく時間がかかるかと考えられます。
たとえば、以下のクエリでAIによる画像生成をすると、相当のクオリティで生成できる状況にはなりつつあります。
「画面奥に高い城があり、城に向かって歩く中世風のファンタジーのコスチュームを着た魔法使いの少女」
一方で、以下の設定を踏まえたうえで画面デザインやキャラクターデザインをすることは、今しばらくAIには難しいと思います。
- 「画面奥に高い城があり、城に向かって歩く中世風のファンタジーのコスチュームを着た魔法使いの少女」をコンセプトイメージのアウトプットにしたい
- 処女は旅の途中で食料がなくなったので、この城に買い出しのため立ち寄る
- この城は、モフモフ1世が900年前に作り、その後7度の戦乱を潜り抜けた、5つの尖塔が特徴
- 魔法使いの少女は17歳、ちょっと怒りっぽい
- 少女は3歳の時に父親と別れ、その後母子家庭で育つ、12歳で魔術アカデミアに入学し、まあまあの成績
- 所持品の杖は、実は伝説の杖なのだが、とてもぼろぼろでそうは見えない。当然、杖の潜在能力は引き出せていない。
- 城を建築したモフモフ1世は......
- .... その他もろもろ
さらに、上記のバックグラウンドコンセプトはAIは考えないため、人間が考える必要があります。
多くの設定や状況、全体の世界観やコンセプトを踏まえたうえでの、キャラクターデザイン、造形デザインはもうしばらく人間がする必要がありそうです。
AIで生成したイラストとの差別化をつけるため、イメージには直接表現されない、バックグラウンドの情報やコンセプト、ストーリーをイラストに
付随させることが今後は重要になるとも考えられます。
SNSの投稿にもバックグラウンドストーリやーコンセプトを紹介する補足資料や説明などを付随させると効果が高まると想定されます。
また、単発のイラストよりも、ストーリーが織り込まれている漫画(1コマ漫画であっても)のほうが優位性があると見込まれます。
ただし、中、長期的な将来は設定や小説をインプットするとそのイメージにマッチしたキャラクターや造形物を
AIが自動生成する技術が出てくるのではないかとも考えられます。
(小説をインプットするとAIがアニメ映像を生成するイメージ。)
突き抜けたデザイン、イノベーション
AIによる画像生成は過去の人間が生成したイラストや画像を学習し、学習結果をもとに画像を生成します。
そのため、現在の多数の閲覧者にとって高評価、高品質とされる画像を生成します。
一方で、これまでの延長線上にはない破壊的なイノベーションのデザインを生み出すことは苦手です。
イノベーションや新しいコンセプトには賛否両論があり、受け入れられない可能性も高く、受け入れられたとしても浸透させるには時間がかかりますが、
AIにはできない領域になるのではと考えています。
SNSへの投稿でもAIが生成しないイメージを狙って投稿すると今後は効果がありそうです。
まとめ
対策を紹介しましたが、やはり作品の数を増やすことも必要です。楽しみながら継続して作品を投稿していくことが重要です。閲覧者が増えないとモチベーションが下がりますので上記の対策で少しでも閲覧者が増えれば幸いです。
著者
挿絵などのお絵描き担当。以前はオタクライフにどっぷりつかっていたが、最近は体力が衰えたためかやや引き気味。
現在も趣味で細々と制作活動中。
最終更新日: 2024-09-07
作成日: 2013-12-22