TASCAM iXZ のレビュー

TASCAM iXZ のレビューです。

入手のきっかけ

スマートフォンで外部マイクを利用したい状況になりました。
通常の外部マイクであれば、4極ミニプラグを3極マイクのミニプラグに分岐するケーブル(MillSO ヘッドセット 変換ケーブルなど)を用意すればよいのですが、 今回利用する外部マイクはファンタム電源を利用するタイプのため、プラグを分岐するだけでは利用できません。そのため、ファンタム電源に対応しスマートフォンとの接続もできるオーディオインターフェイスが必要です。

スマートフォンのオーディオインターフェイスの接続方式には次のものがあります。
  • USB
  • Bluetooth
  • ミニプラグ (4極CTIAミニプラグ)

Bluetooth

Bluetoothでの接続はオーディオプロファイル対応の問題や機器との相性が心配なので除外しました。

USB

USB接続では機器の対応状況が不明であったり、OTG規格、USBデジタルオーディオへの対応状況などの違いでスマートフォン側がうまく動作しない可能性があること、 スマートフォンのUSBコネクタが充電のためすでに埋まっているといった理由で除外しました。
OTG対応のUSBハブでパススルー充電に対応していれば、USBハブからスマートフォンへ充電ができることになっていますが、決め手となるUSBハブが無かったため、 USBハブを利用する方法もいったん見送っています。

ミニプラグ

シンプルで単純な方式ですが、確実に動作する可能性が高いので、ミニプラグ接続のオーディオインターフェイスを選択することにしました。
"TASCAM iXZ"が4極ミニプラグのコンボジャックに接続するオーディオインターフェイスなので、こちらを採用することにしました。
類似製品では IK MultimediaのiRig Pre 2があります。

購入

Amazonでも購入できます。

iRig Pre 2はこちら

ファンタム電源を利用しなければ、iRig 2を利用する選択肢もあります。

パッケージ

パッケージは下図です。


上部のふたを開けると取り出せます。


梱包物一式です。本体、説明書、単三電池が入っています。

外観

本体の外観は下図です。


プラグ部分は4極ミニプラグです。CTIA規格の4極ミニプラグです。


本体の前面です。XLRコネクタ、フォーンプラグ兼用の入力端子と入力モードの切り替えスイッチ、ファントム電源のON/OFFスイッチ、入力のゲインの調整ボリュームが配置されています。


本体の背面です。スマートフォンやPCに接続するための4極ミニプラグの線と、ヘッドフォン、スピーカー出力のミニプラグコネクタが配置されています。

電池の取り付け

ファントム電源に対応しているため、電源供給のための電池が必要です。電池カバーは本体の底面にあります。


ふたを開けると電池ボックスにアクセスできます。


電池を入れます。

接続

ミニプラグをスマートフォンのコンポジャックに接続します。TASCAM iXZのヘッドフォン/マイク出力にスピーカーまたは、ヘッドフォンの端子を接続します。 スマートフォン側ではヘッドセットとして認識されれば、準備完了です。

使用感

動作

ヘッドセットとして認識されるため、ヘッドセットが利用できるアプリケーションであれば問題なく利用できます。
マイクの電源が入った状態でスマートフォンのコンボジャックに接続しないとヘッドセットとして認識されない場合がありますので、 はじめにTASCAM iXZのMODEスイッチをマイク、またはギターの位置にして、次にファンタム電源のスイッチを入れ、マイクに通電している状態でミニプラグをスマートフォンの コンボジャックに接続することで、ヘッドセットとして認識されます。

音質 : 再生

特に問題は無さそうです。コンボジャックからはアナログ信号が出力されるため、iXZの性能よりもスマートフォン側のサウンド機能のほうが音質に対して影響がありそうな印象です。

音質 : 録音

特に問題は無さそうです。性能の高いマイクを接続すればそれに見合った音質で録音できています。

ゲイン : SHURE SM7Bの場合

SM7Bを接続して利用する場合、iXZのゲインを最大値に設定しても若干レベルが足りない場合があります。レベルが足りない場合は、Cloud Microphone Cloudlifter CL-1を接続すると入力レベルを上げられます。CL-1を接続した場合は 75%程度のゲインで問題なく利用できるレベルになる印象です。 CL-1 接続時にゲインを最大にすると激しく音割れします。CL-1はファントム電源を必要としますので、ファントム電源のスイッチはONにします。

ゲイン : RODE NTG3の場合

ファントム電源のスイッチはONにします。RODE NTG3はコンデンサーマイクのため出力は大きめであり、マイクアンプは不要で利用できます。 ゲインは60~70%の位置でちょうどよいかと思われます。マイクから離れて利用する場合はもう少し大きなゲインに設定したほうが良いかもしれません。

電池の持ち

毎日、3時間から4時間程度利用して約1週間で電池が無くなります。
電池の残量が少なくなると警告音のビープ音がヘッドフォン出力から鳴ります。かなり大きな音のため、最初は電池不足のアラートであることがわからず、 他の機器の不具合を疑ってしまいました。
警告音が鳴り出す状態ではファンタム電源の供給も止まり、マイクの出力も極端に弱くなるため、すぐに電池交換が必要です。

その後

電池の持ちがよくないことから、ファンタム電源は電池を利用しない別の機器からとることにしました。 いろいろ試行錯誤を繰り返した結果、マイクをYAMAHA AG03に入力し、AG03のLINE OUTを TASCAM iXZのギター入力に入力することで、 TASCAM iXZに電池を入れずにスマートフォンにマイク音声を入力できる状態になりました。
TASCAM iXZを経由せずに、CTIA分岐ケーブルなどでマイク出力をスマートフォンに入力する方法などを試してみましたが、 ゲイン、ボリューム調整が難しいことや、マイクが認識しない場合があるなど、動作が安定しませんでした。 スマートフォンの4極コンボジャックにマイク音声を入力する場合は、TASCAM iXZを経由する方法が一番動作が安定する印象です。
著者
iPentec.com の代表。ハードウェア、サーバー投資、管理などを担当。
Office 365やデータベースの記事なども担当。
最終更新日: 2024-01-24
作成日: 2020-11-24
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