デバイスドライバーを完全に削除する - デバイスドライバのドライバストアからの削除
Windowsでデバイスドライバーを完全に削除する手順を紹介します。
概要
Windowsではデバイスドライバを一度インストールすると、ドライバストアに保存され、次回以降、デバイスが検出された際にはドライバストアからデバイスドライバがインストールされます。この記事ではドライバストアからデバイスドライバーを完全にアンインストールする手順を紹介します。
手順
infファイル,PNFファイルの削除
Windowsフォルダ内の"inf"フォルダを開きます。(デフォルトでは "c:\Windows\INF"フォルダになります。)
デバイスマネージャーから削除したいデバイスのプロパティウィンドウを開きます。削除したいドライバのinfファイル名、メーカー名を調べておきます。また、[ハードウェア ID]も調べておきます。
"INF"フォルダ内に削除したいドライバのinfファイル名と同じファイルがあれば、そのファイルを調べます。なければ "oem00.inf" の形式のファイルを開いて内容を確認します。infファイル内には、対応するハードウェアIDやメーカー名が記載されています。
今回の例では"oem38.inf"が削除したいデバイスのドライバinfファイルでした。
"INF"フォルダ内の"oem38.inf"と"oem38.PNF"ファイルを選択して削除します。
デバイスのアンインストール
続いてデバイスをアンインストールします。デバイスマネージャーのウィンドウを表示し、削除したいデバイスを選択します。右クリックしてポップアップメニューを表示し、[デバイスのアンインストール]をクリックします。
下図の削除ダイアログが表示されます。[このデバイスのドライバー ソフトウェアを削除します]のチェックボックスにチェックをして、[アンインストール]ボタンをクリックします。
[このデバイスのドライバー ソフトウェアを削除します]のチェックボックスが表示されない場合は、USB 2.0ドライバーなどのOS標準のドライバーに変更されている可能性がありますので、その場合は元のドライバーに変更してから再度アンインストールを実行してください。
pnputil での確認
pnputilでドライバーの一覧から削除されているかを確認します。
PowerShellまたはDOSプロンプトのウィンドウを表示し
pnputil -e
コマンドを実行します。
下図の結果が表示されます。ドライバーの一覧が表示されます。
"oem38.inf" が表示されている場合は完全にアンインストールできていない状態です。
通常は先のデバイスドライバーのアンインストールで[このデバイスのドライバー ソフトウェアを削除します]のチェックボックスにチェックをつけアンインストールすれば、pnputilのリストからも削除されます。 削除できない場合は pnputilコマンドを利用してアンインストールします。
pnputil -d (infファイル名)
コマンドを実行します。今回の例では
pnputil -d oem38.inf
コマンドを実行します。
デバイスがインストールされている状態の場合「ドライバー パッケージを削除できませんでした : ひとつ以上のデバイスが現在、指定された INF を使用してインストールされています。」のメッセージが表示されます。この場合は、先に紹介したデバイスマネージャーからデバイスドライバーのアンインストールを実行します。
既にデバイスドライバーがアンインストールされている場合は、下図の「ドライバーパッケージを削除できませんでした : 指定されたファイルが見つかりません。」のメッセージが表示されます。
デバイスの再検出
デバイスマネージャーのウィンドウを開き、右クリックし ポップアップメニューを表示します。[ハードウェア変更のスキャン]メニューをクリックします。
先ほど削除したデバイスが再検出されます。
プロパティウィンドウを表示します。OEMのドライバではなくMicrosoftのドライバーで検出できています。
OEMのドライバーをドライバストアから削除できました。
A.W.S (Another World Story)

夜の秋葉原、ネオンがちらつく路地の奥にある小さなPCショップ「電脳窟」。
店内は古いCRTモニターやRGBライトで彩られたゲーミングPCが所狭しと並び、埃っぽい空気と電子機器の微かな焦げ臭さが漂っている。
カウンターの向こうでは、店員のタクミがキーボードを叩きながら、常連客のユウキとリョウがいつものように技術談義に花を咲かせていた。
テーブルの上には、開封されたエナジードリンクの缶と、使い古されたマウスパッドが雑然と置かれている。
「なぁ、ユウキ、お前の新PC、例のグラボのドライバまた不調らしいじゃん?」
リョウが、ニヤニヤしながらユウキのノートPCを指差した。ユウキは眉をひそめ、画面に映るエラーメッセージを睨みつける。
「マジでさ、このドライバ、ゴーストみたいにしつこいんだよ。アンインストールしても、Windowsが勝手に古いバージョンをドライバストアから引っ張ってくる。俺のRTX、泣いてるぜ…」
ユウキがため息をつき、モニターの青い光が彼のメガネに反射する。
タクミがカウンターから身を乗り出し、興味津々で会話に割り込んだ。
「それ、ドライバストアの闇だな。Windowsってやつは、使わなくなったドライバをストアに溜め込むクセがある。完全に消すには、ちょっとした儀式が必要だぜ。」
彼はまるで秘密の呪文を教える魔術師のような口調で続けた。
「儀式?」リョウが目を輝かせ、椅子を軋ませながら前のめりになる。
「詳しく聞かせろよ、タクミ。なんかカッコいいな、それ!」
タクミはニヤリと笑い、埃まみれのキーボードを叩いてコマンドプロンプトを呼び出した。
画面に白い文字が映し出され、店内の蛍光灯が一瞬チラつく。
「まず、pnputilコマンドだ。『pnputil /e』で、ドライバストアに溜まってる全ドライバのパッケージリストを出す。
そしたら、問題のドライバのoem番号を見つけて、『pnputil /d oemXX.inf』で強制削除。簡単だろ?」
ユウキは目を細め、メモ帳にコマンドを書き殴る。
「でもさ、間違えて必要なドライバ消したらヤバくね?キーボードとかマウスとか、動かなくなったら詰むじゃん。」
「そこは慎重にだな。デバイスマネージャでドライバの詳細確認して、該当のinfファイル特定すりゃ大丈夫。…まぁ、バックアップ取っとくのが賢いけどな。」
タクミはウィンクしつつ、エナジードリンクを一口飲んだ。缶がテーブルに軽くぶつかり、カタンという音が店内に響く。
リョウが急に声を上げた。
「待てよ、ドライバストアって、WindowsのCドライブの奥深く、System32のどこかに隠れてるんだろ?なんか、PCの深層意識みたいな感じじゃね?俺、ちょっとゾクゾクしてきたぜ!」
「詩人かよ、お前。」ユウキが苦笑いするも、リョウの興奮は止まらない。
「いや、マジでさ!ドライバストアを漁るって、まるでPCの記憶をハックするみたいだろ。過去のデバイスたちの亡魂がそこに眠ってるわけだ!」
店内の空気が一瞬静まり、遠くで秋葉原の雑踏の音が聞こえる。タクミが咳払いをして雰囲気を戻した。
「まぁ、亡魂だろうがなんだろうが、pnputilでサクッと成仏させりゃいい。ユウキ、今すぐやってみろよ。俺が横で監視してやるから。」
ユウキは意を決し、ノートPCにコマンドを打ち込み始めた。画面にドライバの一覧がズラリと表示され、店内のBGM代わりに流れる冷却ファンの低いうなり音が、緊張感を煽る。
ユウキが慎重にoem番号を選び、削除コマンドを入力。エンターキーを押す瞬間、彼の指が一瞬震えた。
「よし、消えた!…はず。」
ユウキが画面を確認し、安堵の息をつく。リョウが肩を叩き、タクミが親指を立てる。
「これでRTXが本気出せるぜ!」
だが、その瞬間、ユウキのノートPCの画面が突然ブラックアウトした。
店内の空気が凍りつく。ユウキが慌ててキーボードを叩くが、反応なし。リョウが目を丸くし、タクミが缶を握り潰す音が響く。
「お、おい…まさか、ディスプレイドライバまで消しちまったんじゃ…?」
ユウキの声が震える。
タクミが苦笑いしながら立ち上がり、店の奥から古いVGAケーブルを取り出した。
「まぁ、こういうこともあるさ。ほら、予備のモニター繋いで復旧しようぜ。…で、次からはバックアップ、な?」
リョウが爆笑し、ユウキが頭を抱える中、タクミはケーブルを手にニヤリと笑った。
「ドライバストアの亡魂、案外しぶといぜ。」
電脳窟の夜は、こうしてPCオタクたちの笑い声と、復旧作業のキーボード音で更けていくのだった。
著者
iPentec.com の代表。ハードウェア、サーバー投資、管理などを担当。
Office 365やデータベースの記事なども担当。