Visual Studio のプロジェクト作成ダイアログで「空のソリューション」などの一部のプロジェクトテンプレートが表示されない現象と対処法を紹介します。

現象の確認

[新しいプロジェクトの作成]ダイアログで一部のプロジェクトテンプレートが表示されない状態になります。 下図は、[その他]のプロジェクトカテゴリで「空のソリューション」のプロジェクトテンプレートが表示されなくなってしまった状態です。


"ソリューション"で検索してもヒットしません。

原因

不明です。Visual Studioの更新を契機に発生する場合もあるようです。

対処法:1 コンポーネントの再インストール

Visual Studio Installerでワークロードやコンポーネントを一度アンインストールし、その後再インストールすると解消される場合があります。

対処法:2 ユーザー設定の初期化

Visual Studioのユーザー設定を初期化すると解消される場合があります。
Windowsターミナルを起動します。


次のコマンドを実行します。
カレントディレクトリをVisual Studioのディレクトリに変えます。
Visual Studioのユーザー設定をリセットします。


コマンドを実行してもメッセージなどは表示されません。


Visual Studioを起動します。設定が初期化されたため、下図のサインインダイアログが表示されます。[サインイン]ボタンをクリックします。


サインインのダイアログが表示されますので、MicrosoftアカウントやAzure ADアカウントでサインインします。



サインインすると、スタートウィンドウが表示されます。ウィンドウ右側のエリアの[コードなしで続行]リンクをクリックします。


メインウィンドウが表示されます。[ファイル]メニューの新規プロジェクトの項目をクリックして新しいプロジェクトを作成します。


[新しいプロジェクトの作成]ダイアログが表示されます。 右側のエリアで[その他]のカテゴリを選択すると「空のソリューション」のプロジェクトテンプレートが表示されます。


"空"で検索しても「空のソリューション」のテンプレートがヒットします。
~

プロジェクトテンプレートが表示されない現象を改善できました。

補足

ユーザーデータをリセットしてしまうため、Visual Studio の設定はデフォルトに戻ってしまいます。
ローカルGitリポジトリの設定や、Visual Studioのエディタの設定などはやり直す必要があります。

対処法:3 手動でslnファイルを作成する

モジュールの再インストールやユーザーデータの初期化をしている時間がない状況で、空のソリューションを作成したい場合は、 テキストエディタでslnファイルを直接作成する方法もあります。

以下のファイルをテキストエディタで作成し、拡張子を .sln で保存すると、空のソリューションファイルを作成できます。
GUIDの文字列の生成はこちらの記事で紹介している方法でGUIDを生成して、SolutionGuidの値に設定します。

Microsoft Visual Studio Solution File, Format Version 12.00
# Visual Studio Version 17
VisualStudioVersion = 17.4.33110.190
MinimumVisualStudioVersion = 10.0.40219.1
Global
	GlobalSection(SolutionProperties) = preSolution
		HideSolutionNode = FALSE
	EndGlobalSection
	GlobalSection(ExtensibilityGlobals) = postSolution
		SolutionGuid = {nnnnnnnn-nnnn-nnnn-nnnn-nnnnnnnnnnnn}
	EndGlobalSection
EndGlobal