フレッツ光の回線が頻繁に切断される
フレッツ光の回線接続が頻繁に切断される現象について紹介します。
現象
ある日を境に、フレッツ光の回線が頻繁に切断されるようになりました。
切断回数
1日に2~4回ほど切断されます。
切断の状況
ルーターには、PPPoEの接続が切断される旨のログが記録されます。切断後に再接続処理になりますが、PADI Timeout または PADR Timeout がログに記録されます。
yyyy/mm/dd hh:mm:ss: PPPOE[01] Connecting to PPPoE server
yyyy/mm/dd hh:mm:ss: PPPOE[01] Disconnected, cause [PPPoE: PADI Timeout]
yyyy/mm/dd hh:mm:ss: PPPOE[01] Connecting to PPPoE server
yyyy/mm/dd hh:mm:ss: PPPOE[01] Disconnected, cause [PPPoE: PADI Timeout]
yyyy/mm/dd hh:mm:ss: PPPOE[01] Connecting to PPPoE server
yyyy/mm/dd hh:mm:ss: PPPOE[01] Disconnected, cause [PPPoE: PADI Timeout]
yyyy/mm/dd hh:mm:ss: PPPOE[01] Connecting to PPPoE server
yyyy/mm/dd hh:mm:ss: PPPOE[01] Disconnected, cause [PPPoE: PADI Timeout]
yyyy/mm/dd hh:mm:ss: PPPOE[01] Connecting to PPPoE server
yyyy/mm/dd hh:mm:ss: PPPOE[01] Disconnected, cause [PPPoE: PADI Timeout]
yyyy/mm/dd hh:mm:ss: PPPOE[01] Connecting to PPPoE server
yyyy/mm/dd hh:mm:ss: PPPOE[01] Disconnected, cause [PPPoE: PADI Timeout]
yyyy/mm/dd hh:mm:ss: PP[01]Detect down via LCP keepalive
接続が復帰すると下記が記録されます。
yyyy/mm/dd hh:mm:ss: PP[01] PPP/IPCP up (Local: 000.000.000.000, Remote: 000.000.000.000)
NTTに確認したところ、不具合が発生した際にONUとPCを直結してどのようなエラーが出るか確認してください。と指示されたので、回線切断が起きた際にPCとONUを直結してPPPoE接続をして動作確認したところ、「エラー651」または、「インターネット接続をテストしています。」のまま接続できない状態でした。
「エラー651により接続に失敗しました」エラーが出て接続できない
「インターネット接続をテストしています。」のまま進まない
セッションの状況
ルーターには2セッション接続が設定されていますが、2セッションともほぼ同時に切断されます。(完全に同時ではない)
切断の直前
何の前触れもなく、突然切断されることが多いですが、切断直前に回線速度が低下しはじめ、1~2分後に完全に切断される場合もあります。この場合はpingを出していると、徐々に"Destination Host Unreachable"になり、最終的に完全に接続できなくなる状態が観察できます。
切断時間
早朝6時から8時までの間に切断される場合と、15時以降切断される場合があります。最も頻繁に切断される時間帯は16時~18時の間でした。
日ごとによって時間は微妙に違いますが、必ずといってよいほど夕方に回線が切断されます。
切断後の状況
切断されると復帰まで早い場合は5分程度、遅い場合は40分程度かかります。光ファイバーのコネクターを抜くなどして、PPPoEの接続を物理的に切断してしまった場合での再接続と同程度の時間がかかる印象です。
現象の確認
問題を切り分けるため、以下を確認しました。
ルーターの交換
ルーターの交換を実施しました。が、ルーターを交換しても同様に毎日夕方になると回線が切断されます。
プロバイダへの確認
プロバイダーに確認したところ、切断された時間帯でのプロバイダー側のエラーは無く、エラーログの内容からNTTのフレッツ回線の問題の可能性が高そうとの回答でした。
ONU交換
NTTに連絡してまずは、ONUを交換してもらいました。が、ONU交換後も夕方になると回線は切断されました。
回線の交換
光ファイバーの回線が2本あるため、それぞれを交換したところ、それまで切断されていなかった側が夕方に切断されるようになりました。
回線を交換しても、切断は解消されず、回線に接続された側のルーターで切断が発生します。
ここまでで、サーバーやルーター以外の原因であることがわかり、手が付けられなくなったため、再度116に連絡しました。
補足
ONUはMACアドレス指定で回線と対応付けられているため、ONUごと交換すると完全に接続できなくなります。回線を交換する場合は、ONUから先を交換します。
工事
上記の症状から、経年劣化により接続点が劣化した可能性が高いとの判断になりました。劣化が進むと、気温の変化による光ファイバーの膨張、収縮のため、接続点で切断されてしまうとのことです。気温の変化が激しい早朝、夕方に接続が切れることからも、その可能性が高いのではないかとの見立てになりました。
対策として、屋内の光コンセントから、き線点(饋線点)までのすべての接続部分を接続しなおす工事を実施しました。
下図の緑の丸の部分が接続点になるため、建物内の光コンセントと合わせて3か所の接続点のコネクターを交換します。
光コンセントのコネクタを交換します。
レーザ発信機を取り付け、き線点の接続を再接続します。
その後、建物内への引き込みボックス(端子函/光クロージャ)の接続点も接続し直します。
その後
今のところ、切断は起きていません。見立て通り、接続部分での問題であった可能性が高そうです。
著者
iPentec.com の代表。ハードウェア、サーバー投資、管理などを担当。
Office 365やデータベースの記事なども担当。