NEC Express 5800/GT110b (2万円程度の安価版)のレビュー - 消費電力・CPUの交換

NEC Express 5800 GT110bの激安版を購入しましたのでレビューします。

経緯

東日本大震災以降、電力の不足状態が続いています。iPentecでも使用電力を削減すべく電力削減プロジェクトが始まりました。その一環としてサーバーを低消費電力のサーバーにリプレースすることにしました。サーバーは自作するよりもメーカ製のPCを安く購入しCPUやメモリを増設/換装するほうがトータルコストは安いため、メーカー製の格安サーバーを調達することにしました。検討(というか衝動買い?)の結果NEC Express 5800 GT110bが20,000円ちょっとで購入できるため、これを購入しました。今回はNEC Express 5800 GT110bにメモリの増設とCPUの換装をしてサーバーを構築します。

補足

出遅れ感ありまくりの赤字電機メーカーのサーバーなんて、しょっぼい、ぺにゃぺにゃのサーバーなんじゃないの?という冷やかしも半分入ってます。

購入

NTT-X Storeの通販でCerelon G1101、メモリ1GB、HDD160GBモデルが約\22,000で購入できました。HP Proliant ML110 G6よりもやや割高感があります。(HP Proliant ML110 G6のレビューはこちら)

パッケージ

2日後に届きました。激安でもNECロゴのついた段ボール箱に入っています。


箱を開けると、ケーブルやキーボード類の入った箱が見えます。この箱を取り出します。


ケーブル類の入った箱を取り出すと仕切りの段ボールがあります。これもどけます。


仕切りを取り除くとサーバー本体が入っています。HP ML110 G6の梱包に比べて発泡スチロールの量が少ないです。(一応)エコです。

外観

取り出しました。ML110 G6と比べるとちょっと重いです。

ビニールを外しました。色が白いので安っぽいイメージがありますが、実物を触ってみると思った以上に質感が良いです。半透明の青みがかった灰色のアクリルパーツもきれいです。


CD/DVDドライブは上部のふたを開けるとアクセスできます。ふたもペラペラではなく、それなりにしっかりした作りです。が丁寧に扱わないと付け根の部分が割れてしまいそうです。開け閉めの回数が増えると爪が削れてふたが閉まらなくなりそうなのも心配です。


背面です。側板は2本のねじで止められています。ネジはマイナスドライバーか手、またはトルクスドライバーで回せます。


電源ケーブルの箱には、電源ケーブルやマウスが入っています。


キーボードも入っています。マウスとキーボードはPS2コネクタです。USBではありません。


注目すべきは、シリアルATAケーブルが3本付属しています。(ML110 G6は添付されていませんでした。)
シリアルATAケーブルは別途購入するとそれだけで結構な金額になってしまうので、これは親切です。


側板を外しました。内部は背面とCPUのヒートシンクにファンがついています。HDDはベイに横向きに取り付けるようです。


フロントパネルは側面の爪を持ち上げると外れます。


フロントパネルを外した前面です。


マザーボードはGIGABYTE製です。このサーバー専用のマザーボードのようです。


メモリは1GBのメモリが1枚刺さっています。


電源を入れてBIOSの画面が表示された状態が下図です。Celeron G1101,1024MB RAMが搭載されていることがわかります。

CD/DVDドライブ

CD/DVDドライブを見てみます。ドライブは側板を開け、ベイに2本のねじでねじ止めされていますのでこれを外します。


ネジを外すとドライブは手前に引き出せます。右側はねじ止めされておらずレールを滑らす仕組みになっています。(下図参照)


CD/DVDドライブベイの内側です。右側にレールがあるのが確認できます。

ハードディスク増設

続いてハードディスクの増設をします。まず、ハードディスクベイを取り外します。ベイは上下2本のねじで固定されているのでネジを外します。ネジを外すとベイを手前に引き出し取り出せます。


ベイを取り出した状態です。ベイはスムーズに引き出せます。


ハードディスクベイです。ハードディスクドライブはこのベイにネジで固定されています。


ベイの裏側です。4か所に衝撃吸収材がついています。手が込んだ作りになっています。


ベイの上下には板がつけられており、ベイと板の間にはゴム版がはさんであります。ベイ自体は上下10か所計20のゴム板で支えられている仕組みになっています。非常に手の込んだ作りになっています。日本のメーカーの製品らしさがよく出ています。


ハードディスクベイとベイの板の間に白いゴム板が見えます。(上部も同じ構造になっています。)


ハードディスクドライブを固定するねじは同梱されています。このネジを使ってHDDを取り付けます。


HDDをベイに取り付けました。


ベイを本体に戻しました。


シリアルATAケーブルと電源を配線します。シリアルATAはマザーボード上にコネクタがあります。全部で6ポートあります。うちCD/DVDドライブが1つを使用するため、残りの5ポートを使えます。


付属のシリアルATAケーブルを使って配線しました。奇数番のSATAポートは赤、偶数番のSATAポートは青いコネクタなのでコネクタの色と同じ色のSATAケーブルを使うと良いです。

CPUの交換

続いてCPUを交換します。今回はCeleron G1101をXeon X3470に交換しました。Celeron G1101ではECCつきのメモリしか使えないため、非ECCのメモリを利用したい場合はXeonシリーズやCore i7/i5シリーズに変える必要があります。

ヒートシンクとファンを外します。ヒートシンクはプッシュピンタイプのものが使われています。プッシュピンのつまみを矢印の方向(反時計回り)に回します。回した後上に引き上げます。


ピンは4か所あるので4か所とも回してピンを上に引き上げます。


ヒートシンクが取れました。ヒートシンクを外した後プッシュピンのピン4つをすべてを時計回り方向に回し元の位置に戻しておきます。


CPUソケットが見えました。


CPUソケットのレバーを引出し、上にあげます。


レバーを引き上げるとカバーも上にはね上がります。


CPUを取り外しました。ソケットのピンが見えます。ピンは折れ曲がりやすいので、手早くCPUを交換します。


CPUの交換が完了しました。


熱伝導グリスを塗っておきます。


CPUクーラーについてですが、下図の左側のCPUクーラーがExpress 5800 GT110bに添付していたクーラー、右側がXeon X3470に添付されているリテールCPUクーラーです。GT110bについているヒートシンクのほうがヒートシンク、ファンともに大きいので、このままGT110bのヒートシンクを使います。


ヒートシンクを取り付けます。プッシュピンの先をマザーボードの穴に差し込み、プッシュピンを上から押すだけでヒートシンクを固定できます。プッシュピンを押しこむ前にヒートシンクががたついていないか、プッシュピンの先がマザーボードの穴にしっかり入っているかを確認します。


電源をONします。問題がなければ下図のNECロゴがディスプレイに表示されます。


BIOS画面が表示されました。CPUがXeon X3470に変わっていることが確認できました。


以上で、サーバーのセットアップ、CPUの交換は終了です。

その他

メモリも"1GB ECCメモリ"から"4GB×4 ECCなし"のメモリに交換しました。CPUをXeon X3470に交換すれば特に問題なく起動できました。(Celeron G1101ではECCなしメモリでは起動できません。)
メモリはスロットのA,B,C,Dの順にさします。2枚しかメモリを使わない場合は青いソケットのほうにメモリ2枚を差します。

RAID

RAIDを有効にするには本体のジャンパースイッチを切り替える必要があります。RAIDはEmbedded MegaRAIDです。

その後の使用感

HPの Proliant ML110 G6と比較したときの一番の大きな違いは、音が静かなことです。ML110 G6は気温が上がるとファンの音やファンの回転数の増加に伴う風切り音でうるさくなりますが、GT110bはファンの音が大きくなったり風切り音でうるさくなったりしません。また、ディスクの振動が筐体に伝わらないため筐体(特に側板)がびりびり振動することもありません。(ML110 G5などは側板のねじ止めが甘いとHDDの振動で側板が振動してしまうことがありました)

消費電力

スペック

ハードウェアNEC Express 5800 GT110b
CPUXeon X3470
MemoryDDR3-1600 4GB×4
HDDHITACHI HDS72302×1, HITACHI HDS72303×3

消費電力

通常運用時:82~85W

その後

Windows Server 2012 にアップグレードしたところ、ファンが最大回転数で固定になってしまいました。Windows Serverの起動画面でファンの回転数が上がるためソフトウェア周りの問題のような気がします。ML110 G6,ML110 G7はWindows Server 2012でも問題なく動作しているのに…どうしましょ…。

さらにその後

ML310e Gen8 v2 導入のタイミングで引退しました。3年半の利用でした。

著者
iPentec.com の代表。ハードウェア、サーバー投資、管理などを担当。
Office 365やデータベースの記事なども担当。
最終更新日: 2024-01-25
作成日: 2011-06-04
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