M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0 のレビュー

OLYMPUSのM.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0 のレビューです。

購入

SONYのNEX-5を使っており、性能には満足していたのですが、どうしても暗所でぶれてしまうことがあったり、周辺のゆがみ(特に色収差)が大きすぎるような気がしていました。何かいいカメラは無いかなと定期的にチェックしていたところ、このレンズが発売され良さそうだったので、カメラ本体(E-P3)と合わせて入手しました。

Amazonで購入しました。最近はブラックモデルも販売されています。

梱包

パッケージは下図です。

外観

色はシルバーです。E-P3のシルバーモデルの外装カラーに比べるとわずかにゴールドがかっています。


フォーカスリングを手前側に引くとマニュアルフォーカスに切り替わります。

レンズプロテクター

レンズプロテクターを付けた時の外観です。外装がシルバーなのでフィルタもシルバーのほうが合います。


こちらのレンズプロテクターをつけています。フィルターの口径は46mmです。

本体取り付け時

E-M1に取り付けた状態の外観です。コンパクトで扱いやすいサイズです。

使用感

32㎜判換算で24㎜のレンズということで、NEXシリーズのパンケーキレンズ"E16mm F2.8 - SEL16F28"とあまり違いはないだろうという印象でしたが、実際使ってみるとだいぶ違います。F値0.8の差はかなりあります。
明るいレンズですので、普通に撮影した場合の出来上がり画像が、撮影時の感覚よりも明るい画像になります。SEL16F28で撮影した画像のほうが人間の感覚に近いような気がします。また、やや暗い場所での撮影でもぶれることが少ない印象です。

サンプル

曇天で雨が降るのではないかという天候で17時を過ぎ、やや暗くなり始めた時間での撮影ですが、感覚以上に明るく撮れています。写真以上に周囲はもっと暗かった印象です。

Olympus E-P3 M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm - F2.2 1/80秒 ISO-200 プログラマブルオート

ISOも200で止まっており、高い値になっていません。シャッタースピードも1/80のため、手振れはあまり気にしなくてもよいレベルです。シャッター時間が1/50秒以上になると、立ち止まって撮る、落ち着いてしっかりカメラを持って撮るなどの注意が必要です。

近距離撮影

NEXシリーズのパンケーキレンズ"E16mm F2.8 - SEL16F28"と比較するとだいぶ寄れるレンズです。カタログ値ではSEL16F28の最短撮影距離は0.24m、M.ZUIKO DIGITAL ED 12mmの最短撮影距離は0.2mと4センチの違いしかありませんが、実際にはもう少し差があるように感じました。

絞ると限界でこのくらいまで寄れます。

F10.0 1/8秒

普通にプログラマブルオートで使っている場合は、この程度寄ってもピントが合います。(ピントが合うのは奥のペンギンになりますが…)

F4.0 1/25秒

周辺部のゆがみ

M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm (Olympus E-P3)

F8.0 1/1250秒 プログラマブルオート
E16mm F2.8 - SEL16F28 (SONY NEX-5)

F8.0 1/1000秒 プログラマブルオート

どちらのレンズでも周辺部ではゆがみが出るようです。心なしかM.ZUIKO DIGITAL ED 12mmのほうがゆがみが少ない気がします。

右下の電柱部分を原寸サイズで比較してみます。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm (Olympus E-P3)

F8.0 1/1250秒 プログラマブルオート
E16mm F2.8 - SEL16F28 (SONY NEX-5)

F8.0 1/1000秒 プログラマブルオート

SEL16F28では色収差が出ていることがわかります。ZUIKO DIGITAL ED 12mmでもやや色収差が出ていますが、周辺部でもくっきり撮影できています。

用途

スナップ用のレンズとして使うレンズです。旅行の記録などはこれ一本で事足りると思われます。

その他

このレンズと(おおむね)同じ性能のレンズは、
  • SONY αの場合
    • "Distagon T* 24mm F2 ZA SSM - SAL24F20Z"
  • NIKONの場合
    • だいぶ性能が上ですが、"AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED"
  • Canonの場合
    • 性能が上ですが、"EF24mm F1.4L II USM"
になります。かなりのハイエンドレンズと同じ性能のレンズがコンパクトかつ、お手軽に使える意味でもお得感のあるレンズです。(お値段はお手軽ではないですが…)

しばらく使いこんでみて

しばらく使いこんでみましたが、暗所でぶれてしまうケースがかなり少なくなりました。また、シャープにくっきりと撮影できます。性能面では満足ですが、E-P3とのセットではちょっと大きくて重いかな、と感じました。
NEX-5との比較になりますが、E-P3では若干赤が強めになるようです。

まとめ

性能的には申し分ないレンズです。レンズの長さが少し長いのでその点が気になるかもしれません。あと1cm長さが短ければ文句なしだと思います。レンズと本体の重量を足すとちょうど500gです。若干重いかもしれません(本体369g、レンズ130g)

撮影例


f/7.1 1/800秒 ISO-200 (E-P3 プログラマブルオート) - ギョレメ谷(カッパドキア)
その場の空気感が良く出ています。日差しが強すぎて空が暗く影も濃い様子がしっかり撮影できています。同時にとったコンパクトデジタルカメラの写真は後で見た時に白く飛んでしまって、かなり悲しい仕上がりでした。


f/2 1/60秒 ISO-250 (E-P3 プログラマブルオート) - 成田空港第一旅客ターミナル 南ウィング
普通ならば、ぶれてしまうような明るさのシーンですが、ぶれずに撮影できています。暗い部分から明るい部分まで表現できています。


f/3.2 1/1600秒 ISO-160 (DMC-GX1 プログラマブルオート) - サン・パブロ橋 クエンカ
こちらはPanasonicのDMC-GX1で撮影したものです。GX1のプログラマブルオートの場合、明るい環境では絞りを絞らずにシャッタースピードを短くする傾向にあるようです。このため中心部は鮮明ですが、周辺部はやや鮮明感が落ちるようです。


f/5.6 1/500秒 ISO-200 (E-M5 プログラマブルオート)
こちらはOM-D E-M5で撮影したものです。E-M5のプログラマブルオートの場合、明るい環境では絞りを絞り、シャッタースピードを極端に短くしない傾向にあるようです。このため画面全体が鮮明に仕上がります。


f/2.0 2秒 ISO-1600 (DMC-GX1 シャッタースピード優先) - ロンドン→成田便
明るいレンズですので、オーロラもきれいに撮影できました。


f/4.5 1/320秒 ISO-200 (E-M1 プログラマブルオート) - バブ・ブージュルード
E-M1での撮影例です。E-M1でも問題なく使えます。


f/4.5 1/400秒 ISO-200 (E-M1 プログラマブルオート) - 莫高窟 九層楼
E-M1で利用してもレンズがセンサーに負けてはいません。

著者
iPentec のライフスタイルコンテンツとトラベルコンテンツの担当。
北欧デザインに囲まれた生活とミニマリストに憧れるも、なかなか部屋の物が減らせない。
最終更新日: 2024-01-25
作成日: 2011-08-11
iPentec all rights reserverd.