コンポジションのシーン全体をズームする - After Effects

コンポジションのシーン全体をズームする方法を紹介します。

スケーリングを利用する方法

手順

After Effectsを起動し、コンポジションを作成し下図の画面を描画します。


コンポジションに要素は2つ配置されています。一つはキャラクターの画像です。


もう一つは背景です。今回は背景は1つの画像でまとめて描画しています。


それぞれの要素を拡大するアニメーションを作成する方法もありますが、位置合わせが非常に大変なことと、要素の数が大きいと作業量が多くなるため、 すべてのオブジェクトの親オブジェクトを用意して、親オブジェクトを拡大することで、子のオブジェクトの位置関係を維持した状態で拡大表示する方針で設定します。
「ヌルオブジェクト」を作成します。タイムラインパネルのレイヤー部分で右クリックしポップアップメニューを表示します。 [新規]サブメニューの[ヌルオブジェクト]の項目をクリックします。


コンポジションの画面の中心にヌルオブジェクトが作成されました。


配置してあるキャラクターと背景を作成したヌルオブジェクトの子要素に設定します。


タイムラインパネルのレイヤーのエリアでキャラクターの項目の右側の[親とリンク]のコンボボックスをクリックします。 下図のドロップダウンリストが表示されます。リストのヌルオブジェクトの項目[1.ヌル1]をクリックして選択します。


背景の画像も[親とリンク]の設定を[1.ヌル1]に設定します。


キャラクターと背景をヌルオブジェクトの子要素に設定できましたので、この状態でヌルオブジェクトを変形すると、子要素にも変形の効果が適用されます。
タイムラインパネルのヌルオブジェクトの項目を開きます。トランスフォームのノードを開きます。


[位置]と[スケール]の項目の左側のストップウオッチのアイコンボタンをクリックします。ストップウォッチのアイコンが青色に変わります。


また、タイムラインにキーフレームが追加され◆のアイコンが表示されます。


タイムラインパネルの[現在の時刻インジケーター]をスライドさせて、15秒付近の位置に移動します。


ヌルオブジェクトの[スケール]の値を大きくします。数値を大きくすると背景とキャラクターが拡大されます。 拡大されましたが、キャラクターが画面からはみ出てしまっています。キャラクターを中心にしたいです。


[位置]の数値を変更して、キャラクターが中心になるようにヌルオブジェクトの位置を移動させます。


[現在の時刻インジケーター]の位置を変えます。キーフレーム間のフレームが補完され、徐々に拡大していく状態を確認できます。



[プレビュー]パネルでアニメーションを再生して動作を確認します。


最後、微修正をしています。手前のキーフレームの位置を2秒付近に設定して、アニメーション開始から、2秒してからズームが始まるようにしました。


以上でズームのアニメーションが完成しました。

3Dレイヤーとカメラを利用する方法

先の手順ではトランスフォームのスケールと位置を利用してシーンのズームをしましたが、 3Dレイヤとカメラを利用する方法もあります。

手順

先ほどと同様のシーンを作図します。キャラクターと背景それぞれの画像をコンポジションに配置しています。


カメラオブジェクトを作成します。タイムラインパネルのレイヤー部分で右クリックします。下図のポップアップメニューが表示されます。 [新規]サブメニューの[カメラ]の項目をクリックします。


下図の[カメラ設定]ダイアログが表示されます。[種類]のコンボボックスを[1ノードカメラ]に設定します。[プリセット]は[50mm]を選択します。 設定ができたら[OK]ボタンをクリックします。


レイヤーに[カメラ1]が追加されました。


下図のオレンジ丸のエリアをクリックして3Dレイヤーモードを有効にします。3Dレイヤーモードが有効になると、立方体のアイコンが表示されます。


背景のレイヤーのほうも3Dレイヤーモードを有効にします。


カメラを移動させるにあたり、複数画面の表示に切り替えます。コンポジションパネルの背景部分を右クリックします。 下図のポップアップメニューが表示されます。[ビューのレイアウトを切り替え]サブメニューの[4画面]の項目をクリックします。


コンポジションパネルに画面が4つ表示されます。


コンポジションの背景部分にオブジェクトがある場合、右クリックしても先のポップアップメニューが表示されない場合があります。 別の方法として、タイムラインパネルのレイヤーエリアで右クリックしても同様のポップアップメニューが表示されますので、[ビューのレイアウトを切り替え]メニューを選択できます。


タイムラインパネルで[現在の時刻インジケーター]を1秒付近に移動します。[カメラ]のレイヤーのトランスフォームノードを開きます。


トランスフォームの[位置]の項目の左側のストップウォッチのアイコンをクリックし、キーフレームを設定します。


ストップウオッチのアイコンが青色に変わり、キーフレームが作成されます。


トップビューを拡大してカメラを移動できる状態にします。


タイムラインパネルの[現在の時刻インジケーター]を16秒付近に移動します。


トップビューでカメラを配置してあるオブジェクトに近づけるように移動させます。移動はトップビューのカメラの上向きの矢印の軸をクリックして ドラッグすると、Z軸方向に固定してカメラを移動させることができます。


カメラを移動させると[アクティブカメラ(カメラ1)]の画面が拡大される様子が確認できます。~


さらに近づけると、キャラクターが画面の外にはみ出してしまいます。カメラのX,Yも移動させる必要があります。


フロントビューの画面でカメラのX,Yの位置を移動し、キャラクターがカメラの画角内に入るよう位置を調整します。


現在の時刻インジケーターの位置を変更します。途中のフレームが補完され、徐々にキャラクターに向かってズームするアニメーションになっていることを確認します。



[プレビュー]パネルでアニメーションをプレビューして動作を確認して完成です。

動画

作成した動画は以下です。
著者
iPentecのメインデザイナー
Webページ、Webクリエイティブのデザインを担当。PhotoshopやIllustratorの作業もする。
最終更新日: 2024-02-11
作成日: 2022-01-16
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