縞模様がスクロールするアニメーションを作成する - After Effects

After Effects で縞模様がスクロールするアニメーションを作成します。

概要

縞模様がスクロールするアニメーションを作成する手順を紹介します。
単純に縞模様を描画して移動する方法では、短時間のアニメーションであれば表現できますが、長時間のアニメーションの場合、非常に大きな図形が必要になるため、現実的ではありません。 この記事では、縞模様がスクロールするアニメーションをオフセットエフェクトを利用する方法とリピート処理を利用する方法の2つの方法で紹介します。

手順:オフセット エフェクトを利用する

はじめに、縞模様をリピーターを利用して描画します。縞模様の描画手順はこちらの記事を参照してください。


上部のツールバーの[回転ツール]を選択して長方形をドラッグして回転します。または、ウィンドウ下部のシェイプレイヤーの[トランスフォーム]の項目を開き、 [回転]の数値を変更して長方形を回転します。長方形を回転させた状態が下図です。


長方形の位置をが移動し、コンポジションの全体が縞模様になるように位置を調整します。


[エフェクト]メニューの[エフェクトコントロール]の項目をクリックします。


ウィンドウの左側にエフェクトコントロールのエリアが表示されます。エリア内で右クリックします。下図のポップアップメニューが表示されます。 メニューの[ディストーション]のサブメニューの[オフセット]の項目をクリックします。


エフェクトコントロールのエリアに[オフセット]の設定項目が表示されます。


[中央をシフト]の項目の横方向の数値を変更します。


数値を変更すると、横方向に画像がシフトされます。継ぎ目でずれている状態です。


縞模様を作成した[リピーター]の[トランスフォーム]の[位置]の縦方向の値を調整し、継ぎ目がスムーズにつながるように位置を調整します。


継ぎ目がわからない状態になりました。


タイムラインの[エフェクト]の[オフセット]の[中央をシフト]の項目をクリックして選択し、右クリックします。下図のポップアップメニューが表示されます。 ポップアップメニューの[エクスプレッションを編集]の項目をクリックします。


タイムラインの[中央をシフト]の項目の下に[エクスプレッション]の項目が追加されます。タイムラインの部分に次のコードが入力された状態になっています。

effect("オフセット")("中央をシフト")

エクスプレッションのコードを以下のコードに変更します。

effect("オフセット")("中央をシフト")
x=time*-1000;
y=1080;
[x,y]

変更を確定します。


文法や記述にエラーがあった場合は、ワーニングの黄色いアイコンが表示されます。ポップアップでエラーの内容を確認できます。


プレビューで動画を再生します。再生すると縞模様がアニメーションする動作が確認できます。

手順:loopOutリピート処理を利用する

先に紹介した方法で縞模様のアニメーションが作成できますが、縞の幅を同じ幅にする必要があります。縞の幅が異なる場合、オフセットで継ぎ目を合わせる部分がうまく処理できないためです。
下図のように縞の幅が異なる場合は、オフセットのエフェクトではなく、アニメーションのリピートを利用して縞模様のアニメーションを作成します。

下図の縞模様を作成します。縞模様はリピーターを利用して描画します。縞模様の描画手順はこちらの記事を参照してください。
先の例では、縞の白の幅と水色の幅が同じでしたが、今回は縞の白の幅と水色の幅が違います。


上部のツールバーの[回転ツール]を選択して長方形をドラッグして回転します。または、ウィンドウ下部のシェイプレイヤーの[トランスフォーム]の項目を開き、 [回転]の数値を変更して長方形を回転します。長方形を回転させた状態が下図です。


長方形を移動させます。コンポジションの領域全体が縞模様になるように位置を調整します。


ウィンドウ下部のタイムラインの長方形を描画した[シェイプレイヤー]の[トランスフォーム]の項目を開きます。[位置]の項目の左側のストップウォッチのアイコンのボタンをクリックします。 クリックするとボタンの色が青色になります。また、右側のタイムラインにひし形のマークが表示されます。このひし形のマークがキーフレームになります。


タイムラインパネルのタイムライン上部の1秒付近をクリックし、インジケーターを1秒の位置に移動します。


移動後、[トランスフォーム]の[位置]の縦方向の値を変更し、下に縞模様一つぶん移動します。位置を変更すると、 タイムラインにひし形のマークが表示され、キーフレームが追加されます。


タイムラインのインジケーターをキーフレームの間に移動すると、長方形が徐々に移動する設定になっていることが確認できます。


[トランスフォーム]の[位置]にマウス本体を移動しクリックして選択した状態で右クリックします。下図のポップアップメニューが表示されます。 メニューの[エクスプレッションを編集]の項目をクリックします。


[位置]の項目の下に[エクスプレッション]の項目が表示されます。


エクスプレッションの右側にある三角形のアイコンボタン「エクスプレッション言語メニュー」(下図点線部分)をクリックします。


下図のメニューが表示されます、[Property]のサブメニューの[loopOut(type = "cycle", numKeyframes = 0)]の項目をクリックします。


エクスプレッションの項目の右側のライムラインのエリアに次のコードが設定されます。
loopOut関数はループ再生する関数です。type="cycle" の指定があるため、所定のキーフレームまで実行をした後で、最初のキーフレームに戻り繰り返し再生を続けます。
numKeyframes はいくつのキーフレームを再生して繰り返しをするかを指定します。下記コードでは 0 が指定されておりすべてのキーフレームを再生して、最初に戻る動作となります。

loopOut(type = "cycle", numKeyframes = 0)

プレビューで再生し、縞模様がアニメーションする動作を確認します。

補足

実際のアニメーション制作では、縞模様一つ分のループ処理で表現する場合、ループの継ぎ目で微妙にがたつく場合があります。 なるべく1回のループを長くして極力ループの継ぎ目を少なくしたほうがきれいなアニメーションになります。

表示結果

作成した縞模様のアニメーション動画です。