別のアカウントでファイル共有サーバーにアクセスする (Windowsで記憶している認証情報を削除する)

既にファイルサーバーにログインが成功している場合、別のアカウントでファイル共有サーバーにアクセスするとログイン済みのアカウントで接続してしまい、接続したいアカウントでアクセスできないことがあります。ログインの成功によりID、パスワードの認証情報が記憶されてしまった後で、記憶させた資格情報を削除する手順を紹介します。

よくある現象

ファイルサーバーにログインする際に下図の認証ダイアログが表示されます。
別のアカウントでファイル共有サーバーにアクセスする (Windowsで記憶している認証情報を削除する):画像1

アカウントIDとパスワードを入力し、[資格情報を記憶する]チェックボックスにチェックすると、以後このアカウントで自動的に認証されます。
別のアカウントでファイル共有サーバーにアクセスする (Windowsで記憶している認証情報を削除する):画像2

何らかの事情で、別のアカウントに切り替えてログインしたいことがありますが、認証ダイアログが表示されないため、アカウントの切り替えができない状態になります。この場合に、記憶されている認証情報を削除することで、再度認証ダイアログが表示される状態に戻します。

手順

コントロールパネルを表示します。
別のアカウントでファイル共有サーバーにアクセスする (Windowsで記憶している認証情報を削除する):画像3

[ユーザー アカウントとファミリーセーフティ]のカテゴリをクリックします。下図の画面が表示されます。[ユーザー アカウント]をクリックします。
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ユーザーアカウントの画面が表示されます。左側のエリアの[資格情報の管理]リンクをクリックします。
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[下図の資格情報マネージャ]が表示されます。
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上部の[Windows 資格情報]をクリックします。Windowsの認証アカウント情報の一覧が表示されます。
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サーバーへの認証情報が記憶されている場合は[Windows 資格情報]の項目にサーバー名の要素が表示されます。
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要素をクリックします。詳細情報が展開されて表示されます。エリアの下部に[編集]と[削除]のリンクが表示されます。今回は、アカウント情報を削除しますので[削除]のリンクをクリックします。
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資格情報の削除確認ダイアログボックスが表示されます。[はい]ボタンをクリックし資格情報を削除します。
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[Windows 資格情報]の項目からサーバー名の要素が削除できました。
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再度サーバーに接続すると、認証ダイアログボックスが表示される動作になります。
別のアカウントでファイル共有サーバーにアクセスする (Windowsで記憶している認証情報を削除する):画像12

Windowsに記憶されている認証情報を削除できました。

コマンドを利用する方法

コマンドを利用して、明示的に別のユーザー名で共有フォルダを開く方法もあります。コマンドラインで明示的にユーザーを指定する方法についてはこちらの記事を参照してください。

A.W.S (Another World Story)

別のアカウントでファイル共有サーバーにアクセスする (Windowsで記憶している認証情報を削除する):画像13
会議室の窓から差し込む春の陽射しは、ゆるやかに部屋を満たしていた。 壁際のホワイトボードにはさまざまなメモが書き散らされ、その手前に置かれたテーブルを囲んで、 もーがん、neg、ぺんた、まりりんが、真剣に画面を見つめている。

「またアクセスできないの?」とまりりんが、少し疲れた表情で声をかけた。

もーがんは頷き、困った顔でノートパソコンの画面を指差す。
「前のアカウントの情報がWindowsに記憶されちゃってて、別のアカウントに切り替えられないんだよ」

ぺんたが腕を組んで椅子に深く座り、微妙な表情を見せる。
「それ、前にも話さなかったっけ?」

negがお茶を一口飲みぽつりと言う。
「前回も似たような状況だった気がしますね……」

「前回も前々回もだよ!」と、もーがんが口を尖らせて抗議する。「Windowsのせいなのか、僕のせいなのか……」

「まあまあ」とぺんたは穏やかに笑った。「で、今回はちゃんと解決するんだろ?」

「もちろんです!」もーがんは胸を張る。「Windowsで覚えている認証情報を消去すればいいだけの話なんですよ!」

まりりんがほっと息をついて、「消去するのって簡単なの?」と尋ねる。
「すごく簡単ですよ!」もーがんは得意げに説明を始めた。
「Windowsには認証情報を管理する場所があって、それを開いて、共有サーバーの情報を消すだけなんです」

彼の説明にうなずきながらも、negが静かにツッコミを入れる。
「それ、毎回説明してくれてる気がしますけど、毎回忘れてるのは何故でしょうね?」

もーがんは少し恥ずかしそうに頭を掻く。
「いやぁ、やり方は覚えてるんですが……肝心の『認証情報を削除した』という記憶そのものを削除しちゃってる気がするんですよね」

その意外な返答に、テーブルを囲む全員が思わず吹き出した。

「結局もーがんの脳内にもWindows並みのバグがあるってこと?」と、まりりんが悪戯っぽく笑う。

ぺんたがそれに続けて、
「いやいや、もしかして毎回認証情報を消すと同時に、自分の記憶も一緒にリセットされてるんじゃない?」

さらにnegが冷静に分析してみせる。
「つまり、Windowsの仕様ではなくて、ぺんた自体が仕様ということですか」

再び笑い声が会議室を包む中、もーがんは大げさに肩を落としてみせた。
「もう、僕の脳内の『認証情報』だけは、Windowsから独立して管理しないとダメそうですね……」

そして、少しだけ真面目な顔でこう続けた。
「それで今から、もう一回だけ僕の記憶情報を整理しますんで、皆さん証人になってくださいね!」

皆が期待半分、笑い半分でもーがんを見守る中、彼は堂々とパソコンの操作を再開する。
数分後、画面を見つめていたもーがんが、真顔でぽつりと呟いた。

「……あれ、この認証情報、誰が登録したんだっけ?」

会議室に再び沈黙が訪れ、その後爆笑が響き渡った。

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著者
iPentec.com の代表。ハードウェア、サーバー投資、管理などを担当。
Office 365やデータベースの記事なども担当。
作成日: 2014-11-17
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