別のアカウントでファイル共有サーバーにアクセスする (Windowsで記憶している認証情報を削除する)
既にファイルサーバーにログインが成功している場合、別のアカウントでファイル共有サーバーにアクセスするとログイン済みのアカウントで接続してしまい、接続したいアカウントでアクセスできないことがあります。ログインの成功によりID、パスワードの認証情報が記憶されてしまった後で、記憶させた資格情報を削除する手順を紹介します。
よくある現象
ファイルサーバーにログインする際に下図の認証ダイアログが表示されます。
アカウントIDとパスワードを入力し、[資格情報を記憶する]チェックボックスにチェックすると、以後このアカウントで自動的に認証されます。
何らかの事情で、別のアカウントに切り替えてログインしたいことがありますが、認証ダイアログが表示されないため、アカウントの切り替えができない状態になります。この場合に、記憶されている認証情報を削除することで、再度認証ダイアログが表示される状態に戻します。
手順
コントロールパネルを表示します。
[ユーザー アカウントとファミリーセーフティ]のカテゴリをクリックします。下図の画面が表示されます。[ユーザー アカウント]をクリックします。
ユーザーアカウントの画面が表示されます。左側のエリアの[資格情報の管理]リンクをクリックします。
[下図の資格情報マネージャ]が表示されます。
上部の[Windows 資格情報]をクリックします。Windowsの認証アカウント情報の一覧が表示されます。
サーバーへの認証情報が記憶されている場合は[Windows 資格情報]の項目にサーバー名の要素が表示されます。
要素をクリックします。詳細情報が展開されて表示されます。エリアの下部に[編集]と[削除]のリンクが表示されます。今回は、アカウント情報を削除しますので[削除]のリンクをクリックします。
資格情報の削除確認ダイアログボックスが表示されます。[はい]ボタンをクリックし資格情報を削除します。
[Windows 資格情報]の項目からサーバー名の要素が削除できました。
再度サーバーに接続すると、認証ダイアログボックスが表示される動作になります。
Windowsに記憶されている認証情報を削除できました。
コマンドを利用する方法
コマンドを利用して、明示的に別のユーザー名で共有フォルダを開く方法もあります。コマンドラインで明示的にユーザーを指定する方法については
こちらの記事を参照してください。
A.W.S (Another World Story)

会議室の窓から差し込む春の陽射しは、ゆるやかに部屋を満たしていた。
壁際のホワイトボードにはさまざまなメモが書き散らされ、その手前に置かれたテーブルを囲んで、
もーがん、neg、ぺんた、まりりんが、真剣に画面を見つめている。
「またアクセスできないの?」とまりりんが、少し疲れた表情で声をかけた。
もーがんは頷き、困った顔でノートパソコンの画面を指差す。
「前のアカウントの情報がWindowsに記憶されちゃってて、別のアカウントに切り替えられないんだよ」
ぺんたが腕を組んで椅子に深く座り、微妙な表情を見せる。
「それ、前にも話さなかったっけ?」
negがお茶を一口飲みぽつりと言う。
「前回も似たような状況だった気がしますね……」
「前回も前々回もだよ!」と、もーがんが口を尖らせて抗議する。「Windowsのせいなのか、僕のせいなのか……」
「まあまあ」とぺんたは穏やかに笑った。「で、今回はちゃんと解決するんだろ?」
「もちろんです!」もーがんは胸を張る。「Windowsで覚えている認証情報を消去すればいいだけの話なんですよ!」
まりりんがほっと息をついて、「消去するのって簡単なの?」と尋ねる。
「すごく簡単ですよ!」もーがんは得意げに説明を始めた。
「Windowsには認証情報を管理する場所があって、それを開いて、共有サーバーの情報を消すだけなんです」
彼の説明にうなずきながらも、negが静かにツッコミを入れる。
「それ、毎回説明してくれてる気がしますけど、毎回忘れてるのは何故でしょうね?」
もーがんは少し恥ずかしそうに頭を掻く。
「いやぁ、やり方は覚えてるんですが……肝心の『認証情報を削除した』という記憶そのものを削除しちゃってる気がするんですよね」
その意外な返答に、テーブルを囲む全員が思わず吹き出した。
「結局もーがんの脳内にもWindows並みのバグがあるってこと?」と、まりりんが悪戯っぽく笑う。
ぺんたがそれに続けて、
「いやいや、もしかして毎回認証情報を消すと同時に、自分の記憶も一緒にリセットされてるんじゃない?」
さらにnegが冷静に分析してみせる。
「つまり、Windowsの仕様ではなくて、ぺんた自体が仕様ということですか」
再び笑い声が会議室を包む中、もーがんは大げさに肩を落としてみせた。
「もう、僕の脳内の『認証情報』だけは、Windowsから独立して管理しないとダメそうですね……」
そして、少しだけ真面目な顔でこう続けた。
「それで今から、もう一回だけ僕の記憶情報を整理しますんで、皆さん証人になってくださいね!」
皆が期待半分、笑い半分でもーがんを見守る中、彼は堂々とパソコンの操作を再開する。
数分後、画面を見つめていたもーがんが、真顔でぽつりと呟いた。
「……あれ、この認証情報、誰が登録したんだっけ?」
会議室に再び沈黙が訪れ、その後爆笑が響き渡った。
著者
iPentec.com の代表。ハードウェア、サーバー投資、管理などを担当。
Office 365やデータベースの記事なども担当。