Microsoft Visual Studio 2015 Installer Projects を利用してインストーラーを作成する

Microsoft Visual Studio 2015 Installer Projects を利用してインストーラーを作成する手順を紹介します。

事前準備

Microsoft Visual Studio 2015 Installer Projectsをダウンロードして、インストールします。手順の詳細は、こちらの記事を参照して下さい。

アプリケーションの作成

インストーラーでインストールするアプリケーションを作成します。今回は文字列を連結するシンプルなアプリケーションを作成します。下図のUIを作成します。



下記のコードを記述します。
FormMain.cs
using System;
using System.Collections.Generic;
using System.ComponentModel;
using System.Data;
using System.Drawing;
using System.Linq;
using System.Text;
using System.Threading.Tasks;
using System.Windows.Forms;

namespace SetupDemo
{
  public partial class FormMain : Form
  {
    public FormMain()
    {
      InitializeComponent();
    }

    private void button1_Click(object sender, EventArgs e)
    {
      textBox3.Text = textBox1.Text + textBox2.Text;
    }
  }
}

プロジェクトを実行します。下図のウィンドウが表示されます。


テキストボックスにテキストを入力し、[Button1]をクリックすると、連結した文字列が下部のテキストボックスに表示されます。

インストーラープロジェクトの追加

Visual Studio の右側のソリューションエクスプローラでソリューションのノードを選択し、右クリックします。下図のポップアップメニューが表示されます。[追加]メニューの[新しいプロジェクト]をクリックします。


[新しいプロジェクトの追加]ダイアログが表示されます。


左側のツリービューで[その他のプロジェクトの種類]ノード内の[Visual Studio Installer]ノードを選択します。下図の画面が表示されます。右側のプロジェクトの種類一覧から、[Setup Project]をクリックして選択します。ダイアログ下部の[名前]欄にプロジェクトの名称を入力します。今回は、"SetupApp" とします。設定後ダイアログ右下の[OK]ボタンをクリックします。


ソリューションエクスプローラに、Visual Studio Installerの"Setup Project"が追加されました。下図の画面が表示されます。

インストーラーの設定

[File System]のウィンドウの[Application Folder]のノードをクリックして選択します。

補足

[File System]のウィンドウが表示されていない場合は、ソリューションエクスプローラでセットアッププロジェクトのノードをクリックして選択し、右クリックしてポップアップメニューを表示します。メニューの[View]の[ファイルシステム]をクリックします。



[Application Folder]で右クリックし、ポップアップメニューを表示します。メニューの[Add]の[プロジェクト出力]をクリックします。


[プロジェクト出力グループの追加]ダイアログが表示されます。[プロジェクト]コンボボックスで対象のプロジェクトを選択します。今回は先ほど作成したアプリケーションのプロジェクトの"SetupDemo"プロジェクトを選択します。下部のリストで項目を選択します。今回はビルド結果を出力するので、[プライマリ出力]を選択します。[構成]は"Release Any CPU"を選択します。設定ができたらダイアログ下部の[OK]ボタンをクリックして閉じます。

セットアッププロジェクトのビルド

セットアッププロジェクトをビルドします。ソリューションエクスプローラで、セットアッププロジェクトのノードを選択し、右クリックでポップアップメニューを表示します。メニューの[ビルド]をクリックします。


ビルドが成功しました。下図の[出力]ウィンドウにビルドが成功した旨のメッセージが表示されます。


ソリューションエクスプローラで、セットアッププロジェクトのノードを選択し、右クリックし[エクスプローラーでフォルダーを開く]のメニューをクリックします。


セットアッププロジェクトのフォルダが表示されビルド結果が格納されるフォルダ("Debug","Release")も作成されています。


ビルド結果のフォルダを開くと、ビルド結果の"setup.exe"ファイルと、”msi”形式のインストーラーが作成されています。

作成したインストーラーの実行

作成したインストーラーを実行します。先の"SetupApp.msi"ファイルを実行します。インストーラーが起動し、下図のウェルカムダイアログが表示されます。ダイアログ右下の[次へ]ボタンをクリックします。


[インストール フォルダの選択]画面が表示されます。アプリケーションをインストールするディレクトリを選択します。設定後[次へ]ボタンをクリックします。


[インストールの確認]画面が表示されます。インストールの準備ができた旨のメッセージが表示されます。[次へ]ボタンをクリックします。


プログラムのインストールが実行されます。インストールが完了すると下図の画面が表示されます。[閉じる]ボタンをクリックしてインストーラーを終了します。


インストール先のフォルダを確認します。実行ファイルがインストールできています。


"SetupDemo.exe"ファイルを実行します。作成したプログラムが起動します。動作も問題ありません。
#img("visual-studio-2015-create-installer-using-microsoft-visual-studio-2015-installer-projects-24"

アンインストールのテスト

[コントロールパネル]の[プログラムのアンインストール]をクリックします。


[プログラムのアンインストールまたは変更]画面が表示されます。先ほどインストールした、"SetupApp"も一覧に表示されています。


"SetupApp"の項目をクリックして選択し、右クリックでポップアップメニューを表示します。メニューの[アンインストール]をクリックします。または、項目を選択後、上部のメニューバーの[アンインストール]の項目をクリックします。


アンインストール確認ダイアログが表示されます。[はい]ボタンをクリックすると、プログラムのアンインストールが実行されます。

ショートカットの作成

上記の手順でインストーラーは作成できましたが、インストール時にプログラムメニューにショートカットが追加されません。このセクションでは、プログラムメニューにショートカットを追加する手順を紹介します。

Visual Studio を起動し、Setupプロジェクトを開きます。Setupプロジェクトの、FileSystem画面を表示します。Application Folderには先ほど追加したプライマリ出力の項目があります。これをクリックして選択します。


右クリックしてポップアップメニューを表示します。メニューの[Create Shortcut to プライマリ出力 from (プロジェクト名)]をクリックします。


同じフォルダに"Shortcut to プライマリ出力"のショートカットが作成されます。


作成されたショートカットを[User's Programs Menu]のノードにドラッグ&ドロップします。


[User's Programs Menu]のフォルダ内に"Shortcut to プライマリ出力"のショートカットが移動できました。


Setupプロジェクトをビルドします。


ビルドが成功しました。


ビルド結果のフォルダを開き、"SetupApp.msi"を実行します。


インストーラーが起動しますので、インストールをします。



インストール完了後、スタートメニューを確認します。[最近追加されたもの]の欄に、"Shortcuto to プライマリ出力"のショートカットが作成されています。

"S" の欄にも、"Shortcuto to プライマリ出力"のショートカットが作成されています。


ショートカットをクリックします。アプリケーションが起動できます。



Visual Studio 2015 Installer Project を利用して、インストーラーを作成できました。
著者
iPentecのメインプログラマー
C#, ASP.NET の開発がメイン、少し前まではDelphiを愛用
掲載日: 2016-10-02
iPentec all rights reserverd.