オブジェクトが回転しながら移動するアニメーションの作成 - After Effects

After Effectsでオブジェクトが回転しながら移動するアニメーションを作成します。

概要

オブジェクトが回転しながら移動するアニメーションを作成する場合には、回転と位置の2つの要素でキーフレームを作成して設定すると実現できます。
また、移動した距離だけ回転させたい場合は、エクスプレッションに数式を設定すると実現できます。

手順:回転しながら移動する

After Effectsを起動し、コンポジションを作成します。画像を配置します。配置した画像を回転させながら移動するアニメーションを作成します。


タイムラインパネルで[現在の時間インジケーター]を10秒の位置に移動します。


[現在の時間インジケーター]を20秒の位置に移動します。


[位置]のXの値を増加させて右方向に移動します。


続いて[回転]の値を増加して回転させます。


今回は回転の値を 4x+0.0°とします。4回回転させます。


現在の時間インジケーターを動かすと回転しながら右に動く様子が確認できます。


[プレビュー]パネルでプレビュー再生してアニメーションの動作を確認します。


以上の手順で、回転しながら移動するアニメーションが作成できました。

動画

作成した動画は以下です。

手順:移動した距離だけ自動で回転する

先ほどの手順で回転しながら移動するアニメーションが作成できました。
移動距離と回転数が違っていても問題ない場合は、紹介した方法で問題ありませんが、移動した距離ぶんだけ回転させたい場合には、移動量から回転数を求める必要があり、 設定が面倒です。このセクションでは移動した距離から回転数を逆算して、エクスプレッションで自動でオブジェクトを回転させる方法を紹介します。

コンポジションを作成し画像を配置します。5秒の位置から移動を始める動作にします。


20秒の位置で右側に移動する動作としました。


タイムラインパネルで配置して移動させる設定の画像のレイヤーの[トランスフォーム]の項目を開き、[回転]の項目で右クリックします。 下図のポップアップメニューが表示されます。メニューの[エクスプレッションを編集]の項目をクリックします。


[回転]の項目の下部に[エクスプレッション: 回転]の項目が追加されます。右側のタイムラインバー部分に transform.rotation のコードが入力されています。


タイムラインバーのコード部分を下記のコードに変更します。
var sp = transform.position.valueAtTime(0);
var np = transform.position;
var diameter=sourceRectAtTime(0,false).width;
var move_distance= length(np,sp);
var clen = diameter*Math.PI;
(move_distance / clen) * 360;


コードの解説

valueAtTime(t) は時刻t時点でのプロパティの値を返すメソッドです。
下記のコードでは、0秒時点のオブジェクトの位置を返す処理になります。位置の値は変数spに格納します。
var sp = transform.position.valueAtTime(0);

下記のコードは現在のオブジェクトの位置を返す処理です。値は変数 np に格納します。
var np = transform.position;

配置した画像オブジェクトの幅を取得します。sourceRectAtTime(t) メソッドで時刻tでのオブジェクトのRECTのサイズを取得します。今回は幅の値のみを利用するため、 widthプロパティの値を radius 変数に代入します。今回はオブジェクトの幅を円の直径としています。
var diameter=sourceRectAtTime(0,false).width;

移動距離を求めます。初期位置から現在の位置までの距離を求めます。求めた距離をmove_distance 変数に代入します。
var move_distance = length(np,sp);

移動距離を円周で割ると回転数が求められます。回転数に360をかけると回転角を求められます。
var clen = diameter*Math.PI;
(move_distance / clen) * 360;



エクスプレッションのコード設定後、現在の時間インジケーターを移動します。回転しながら移動する様子が確認できます。



[プレビュー]パネルでプレビュー再生してアニメーションの動作を確認します。


移動した距離だけ自動で回転するアニメーションが作成できました。

動画

作成した動画は以下です。
著者
iPentecのメインデザイナー
Webページ、Webクリエイティブのデザインを担当。PhotoshopやIllustratorの作業もする。
最終更新日: 2024-02-11
作成日: 2022-02-01
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