SONY ステレオアンプ TA-A1ES のレビュー
SONY ステレオアンプ TA-A1ES のレビューです。
購入のきっかけ
YAMAHA A-S2000 プリメインアンプを利用しており、不自由していなかったのですが、購入して12年ほど経過して、
いろいろと環境が変わり、次の問題が発生しました。
アンプが温まるまで部品の膨張音がする
アンプの電源を入れると、部品の膨張音のような金属がはじけるような音がするようになりました。
十分アンプが温まると音はしなくなりますが、1時間ぐらい定期的にパチパチ音がするため、かなり気になってきました。
ちなみに電源を落としても、温度が下がり部品が収縮するためかパチパチ音がします。
隣人の電波ノイズが入る
最近、隣人がアマチュア無線を始めたようで、アンテナタワーが隣に建ちました。大きなアンテナなので、おそらく14MHzか1.9MHz帯の電波が出ていると思われます。
その後、時々ノイズがスピーカーに入るようになりました。デジタル通信をしているためか、ホワイトノイズに近いノイズが頻繁に入ります。
(近隣ではインターフォンが突然鳴るという怪現象が起きているとの噂もあり。)
ちなみに、スマートフォンにノイズが入る場合が一番ひどく、スマートフォンのイヤフォンジャック出力をオーディオインターフェイス経由でアンプに入力して
スピーカーに出力する接続でWeb会議などをしていると、無線で会話をしている内容(しゃべっている声)がスピーカーに入り何をしゃべっているか丸わかりです。
本来は無線局側に対処の義務があるのですが、苦情を入れて揉めるのも嫌なので、泣き寝入り状態です。
スマートフォンに入るノイズはどうしようもない面がありますが、アンプに入るノイズは対処したいと考えています。
ちなみにスマートフォンのノイズは、イヤフォンジャック出力をUSB出力に変更して、オーディオインターフェイスに入力するとノイズが入らなくなりました。
USBのデジタル信号であればノイズが入りにくいのだと思われます。
機種選定
候補となるアンプを選定することにしました。
A-S2000もよいアンプでしたが、10年ちょっとで部品の膨張音がしてくるのはよろしくないと思い、YAMAHAは今回は回避しようかという方針です。
他にも、A-S2000の後継品のA-S2200はレベルメーターなどが追加され、かなり価格が上がっていること。
基本的な設計や回路はあまり変わっていないと思われるため、無線のノイズが入る可能性が高いこと。これらを考慮して、今回はYAMAHAは除外することにしました。
通販で扱っている店舗が少ないことや、購入する場合の候補となるA-S1200、A-S801にはXLR端子のバランス入力が無いことも影響しています。
マランツは性能も良さそうで、人気もあります。しかも2020年の新製品(MODEL 30)もあることから、良さそうではありましたが、
デザインが好みでないことと、Model30は洗練されていてデザインは良いのですが価格が想定より高いため、除外となりました。
DENONも候補で、PMA-A110、PMA-2500NEがA-S2000クラス相当になるようで検討しましたが、本体の高さが 182mmあり、
オーディオラックにぎりぎり入らないのでこちらも除外となりました。
また、USB-DAC付きでUSB接続をサポートしていますが、DACは相性問題や、アンプに比べて技術進歩が速いため、DACをこだわるならば、
RMEのADI-2 Pro FS RやFireface UCX IIなどのオーディオインターフェイスを利用したほうが良さそうだとのこともあり、
USB-DACなしの純粋なアンプで長く使いたいという方針で除外となりました。
SONYですが、以前使っていた
SONY TA-313はボリュームスイッチでノイズが入る状態になりましたが、
他は問題なく、20年も使えていたこともあり、電力系のオーディオ製品はSONYが良さそうだなと考えました。
SONYのアンプは TA-A1ES 1機種のみですが、XLR端子のバランス入力もあり、DACが無く純粋なアンプであることや、電子ボリュームICが採用されていたり、
FET入力ディスクリートバッファー回路が導入されているなど、回路部分が新しい設計になっているので電波ノイズの影響を受けにくいのではないかと思いました。
ステレオ調整やイコライザの機能もなく、シンプルな機能で壊れにくく、長く使えそうなことも良さそうです。
発売が、2013年と若干古めなのが少し気になりましたが、A-S2000は2007年の発売なので、6年ほど後発なので、OKとしました。
上記の結果から、SONYのTA-A1ES を導入することにしました。
購入
試聴せずに、ヨドバシの通販で購入しました。
電波ノイズや部品の過熱時の音をどうにかするのが最優先のため、音質は二の次です。(とはいえ、TA-A1ES でノイズが入らなくなる保証はないのですが。)
Amazonでも購入できます。
パッケージ
在庫があったので、2日で届きました。
パッケージは下図です。ビニールシートで梱包されています。
ビニールシートを外します。黒い箱に梱包されています。
TA-A1ESの型番と、ESシリーズのロゴがプリントされています。
ふたを開けます。ふたに保証書の封筒が貼ってあります。
ふたを開けると取扱説明書とリモコンが梱包されています。
リモコンが梱包されている発泡スチロールを外すと本体が梱包されています。
本体を取り出すと、本体の下に電源ケーブルとユーザー登録カードが梱包されています。
内容物一式です。
本体以外には、取扱説明書、ユーザー登録カード、リモコン、電源ケーブルが含まれています。
外観
本体
本体のラッピングを外します。
本体の外観です。
前面です。電源ボタン、ボリュームダイヤル、入力切替スイッチ、ヘッドフォンのインピーダンス切り替えスイッチしかありません。
余計な機能を極力減らして純粋なアンプに特化しており、すごく良いコンセプトだと思います。
前面左上にSONYのロゴがあります。ロゴはプリントではなく、ロゴのエンブレムが埋め込まれているつくりになっています。
電源は前面左下にあります。
前面右側のダイヤルがボリュームです。
右上には、Hi-Res AUDIO のロゴのシールが貼られています。
前面右下に型番がプリントされいます。
側面です。
電源ケーブル
電源ケーブルの外観は下図です。
それなりに電力を消費するため、太めのケーブルです。プラグ部分は真鍮でできているようです。
リモコン
リモコンの外観です。リモコンは使わないので、このまましまっておきます。
説明書類
説明書とユーザー登録カードです。
端子類
背面です。
スピーカーケーブル接続端子です。一般的なアンプでは見かけない、大きな端子が付いています。
回転させると、上部の溝が開きます。ここにスピーカーケーブルを差し込んで固定します。大型でしっかりと固定できるので、
スピーカーケーブルが抜けにくい構造で良さそうです。
入力端子類です。XLRバランス入力の端子、RCAピンコネクターが4系統の合計5系統の入力があります。
「21年製」のシールが貼ってあります。在庫品なので、製造年はもっと古いかと思っていましたが、製造年は新しくうれしいです。
(その後「平成21年」ではないか? 疑惑が浮上しましたが、平成21年は2009年なので、発売前の年になってしまうため、2021年製造で良さそうです。)
背面上部には、スピーカーインピーダンスとオートスタンバイのスイッチがあります。アンプの電源OFFし忘れは結構あるので、
オートスタンバイはうれしい機能です。早速ONにします。
インピーダンスは、6Ωのスピーカを接続するので、4Ωの設定のままとします。(8Ω以上のスピーカーの場合に8Ωにスイッチを切り替えます)
YAMAHA A-S2000との比較
YAMAHA A-S2000 と比較します。高さで2cmほど TA-A1ES のほうが低いです。幅は同じ程度ですが、奥行きは3cmほど短いです。
設置
オーディオラックに問題なく入りました。
オーディオインターフェイスからバランス接続でケーブル接続します。
ケーブルも無線電波対策用に入手した、
Oyaide オヤイデ PA-02 TXM V2 を使っています。)
スピーカケーブルと電源ケーブルを接続します。
電源ボタンを押して電源を入れます。緑色のランプが点灯します。
ボリュームの左にボリュームの表示が点灯します。電源ON直後はボリューム0になっています。
バランス接続しましたので、LINE 5のボタンを押してXLR接続の入力に切り替えます。
ボリュームを上げます。
オーディオを再生してサウンドが再生されることを確認します。
サウンド再生
Steinberg UR-22C 経由でXLRバランス接続でTA-A1ESに入力し、
Soavo-1 (BP) に接続して利用していますが、問題なくサウンド再生できます。
使用感
重量
17kgあり、重さはそれなりにありますが、取り回しが大変なほど重くないです。
A-S2000は22.7kgあり、設置が大変なほど重いので、この5kgの差は大きいと思います。
ボリュームダイヤル
ボリュームダイヤルはデジタルボリュームのため、ダイヤルは無限に回ります。
範囲が決まっているダイヤルで、9時、12時、3時などの位置が見えたほうが使いやすいなど、利用スタイルによって好みがありますが、
私は、アンプのボリュームはほとんど変更しない利用スタイルのため、あまり気にならないです。
ダイヤルの重さは、重すぎず、軽すぎず、高級感がある操作感です。A-S2000のダイヤルよりわずかに重いです。
ダイヤルはA-S2000と同様のラッチのないダイヤルで、スムーズに回転する構造です。(TA-313はラッチのあるダイヤルでした。)
LRバランスや、イコライザーの設定が無い
前面パネルを見てもわかるように、電源ボタン、ボリュームダイヤル、入力切替ボタン、ヘッドフォンのインピーダンス切り替えスイッチしかありません。
一般的なアンプは、LRのバランスや低音、高音バランスのイコライザーのつまみがありますが、そうした設定スイッチは一切ありません。
最近はオーディオインターフェイスからの入力やネットワークプレイヤーからの入力がメインでイコライザー等はオーディオインターフェイス側で処理するため、
アンプ側で設定できなくても全く困らないです。
オートスタンバイ
L,Rどちらかの入力が15分程度無いと電源が落ちます。
比較テスト時に、LにTA-A1ES、RにA-S2000を接続して試聴していましたが、15分程度でTA-A1ESの電源が落ちてしまいました。
音質
リスニング面では問題ありません。フロアスタンディング型のスピーカーでもしっかりと鳴ります。
A-S2000との比較
実用上は違いが分かりません。
TA-A1ESとA-S2000を切り替えながら視聴すると、気持ち違いがある程度です。
TA-A1ESのほうが気持ち鮮明感があるかな?という印象です。逆に中音域の音の厚みはA-S2000のほうが気持ちしっかりしているかな?という印象です。
低音もTA-A1ES、A-S2000どちらもしっかり出ます。低音自体はTA-A1ESのほうが少し強いのではないか?という印象ですが、
最低音の迫力は、逆にA-S2000のほうがパワーがある印象を持ちました。
本体の劣化なども影響しているかもしれませんが、気持ちTA-A1ESのサウンドのほうがクールに、A-S2000のほうが温かみのあるサウンドの印象です。
ハイレゾサウンド音源も最近は増えてきていますので、ハイレゾ音源のリスニングであれば、TA-A1ESのほうが向いているのかなという印象ですが、
ほとんど違いはありません。
電波ノイズ
利用開始直後はノイズは気づかない状況でした。しかし、天候やアンテナの向き、周波数など様々な要因があるため、しばらく様子見をする必要があるかと思います。
その後しばらく使い続けたところ、若干ですが、ノイズが入る状況が確認できました。ただし、A-S2000に比べると、ノイズの大きさも小さく、改善されている印象です。
さらにその後、先方の電波の出力が上がったらしく、ノイズが入るようになってしまいましたが、A-S2000に比べれば、ノイズの大きさは小さいです。
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著者
iPentec.com の代表。ハードウェア、サーバー投資、管理などを担当。
Office 365やデータベースの記事なども担当。